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2005年10月18日

●051018 現代住宅としての茅葺き民家のネガ

伝統的な茅葺き民家は、現代の生活にとって必ずしも快適な住宅ではありません。新素材などを用いた改装がなされていても、残念ながら住みにくいが故に建て替えられることも多く、その住み難さを楽しめる人でなければ暮らせない、特殊なものになってしまっています。

昔の茅葺き民家を住宅として使い続ける際に問題となる点としては、「夏は快適でも冬は寒い」「屋内が昼間でも照明が必要なほど暗い」「水回りの設備の不備(或いは初めから存在しない)」があると思います。
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それらへの対策を講じて尚、今の茅葺きの家が抱える問題をあげてみると

◯「寒い」ことへの対策として、
天井を張り、アルミサッシ、ボード、断熱材で部屋を気密して対応
  ↓
結果として激しい結露、その割にあいかわらず寒い
  ↓
泥縄式の対応で不十分な気密、そもそもの構造的な熱効率が改善されていない

◯「暗い」ことへの対応として、
シコロ屋根を設けて茅屋根の軒先を切り上げる
  ↓
小屋裏の換気を阻害
  ↓
茅屋根の寿命を縮める一因に

また、
雨戸列にアルミサッシの窓ガラスを入れる
  ↓
結露甚だしい
  ↓
縁側は構造的にそれでも寒いため結局閉め切り、採光の改善に繋がらない
(むやみに直射日光を屋内に入れると、陰が深まり余計に暗く感じることも)

◯水回りの使い勝手の向上のために、
土間に台所、風呂、便所を設置
  ↓
暗くて、寒くて、湿っぽいキッチン、サニタリー
  ↓
土間に風が抜けなくなることで家全体まで湿気る

そもそも、土間が無くなると民家の間取りはユーティリティに欠ける
  ↓
家の周りにものが溢れ、軒下に積み上げられる
  ↓
建物周りの通風が悪化し、ますます湿気る

と、いったところでしょうか。


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