2006年02月28日

●060228 リキオウ/マルゴ

カヤマルでは参加者に、生の現場を体験して職人やお施主さんと本音で付き合ってもらい、茅葺きの良さも苦労も身を以て感じてもらいたいと願っています。
そこで、「お客さん」意識を払拭してもらうためにも、現場でバリバリ働けるように、「地下足袋持参」に拘っているのですが、参加者の殆どは地下足袋をお持ちではありませんから、どこへ行けば買えるのか?どんなものを選んだら良いのか?毎回地下足袋購入ガイドを用意してきました。
で、そこで推奨してきたのが「力王」の「ファイター」と、「丸五」の「ジョグ足袋」なのですが、地下足袋のトップブランドである力王は、時折日経新聞の題字下広告に顔を出します。
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日経新聞と地下足袋という取り合わせを、何ともユーモラスに感じてしまうのは僕だけでしょうか。
しかも、コピーがまた良い。現行は「個性ある精品」。以前は「確かな踏み応え」フミゴタエ!
さらにその前は「強い、履きよい、かっこ良い」だったはず。カッコイイ!自分で言っている!
sh@

2006年02月27日

●0227 (屋根だけ)竣工写真

週末は季節外れの嵐となりましたが、素屋根が完全に取り払われた交流民家の茅葺き屋根は、何事もなく無事でした。
ま、それで当たり前なんですけれどね。
茅葺き屋根こそが建物を守るシェルターな訳ですから。

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設計監理と施工管理による検査はすでに終わっていましたが、ある意味この嵐が本当の竣工検査のようなものでした。無事クリアして引き渡しです。
ほっとすると同時に、何とも言えない寂しさも。

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茅葺き屋根は場所によって傷み方に差がありますから、葺き替え工事の場合は屋根を幾つものパートに分けて、時間差を設けて葺き替えていきます。ですから仕事を認めて頂いて、ある屋根の面倒を見せてもらえることになれば、10年に一度くらいはその屋根のどこかの修理に訪ねて来る事になります。

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しかしながら、交流民家のような新築工事の場合は、最も傷みやすい部分でも葺き替えが必要になるまでには30年くらい保つ(ハズ)ので、僕のキャリアの中で直接面倒を見る可能性のある機会は、棟の修繕くらいになるかもしれません。
そう考えると寂しさもひとしお。
sh@


2006年02月25日

●0225 ゴモク、土に還る

茅葺き屋根を葺き替えるときの大量の古茅くず=ゴモクは、優秀な肥料としてかつての伝統的な農業生産には欠かせないものでした。
交流民家は新築なので古茅は出ませんが、屋根を葺くだけでもトラック何台分もの茅くずが発生しています。もちろん、これも有機栽培をしている人にとっては、肥料原料や天然のマルチとなる宝の山です。

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バイトのサガラくんが自分の畑に入れるためにゴモクを持って帰りました。

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ゴモクが建築廃材として扱われることなく、資源として土に還ることでカヤマルのマル(環、円、輪)は完結します。

ちなみに交流民家のゴモクは、欲しい方なら誰でも取りに来てもらえるのですが、事前の告知が行き届かなかったこともあって、まだたくさん残っています。
配布時間の延長など条件も緩和される方向なので、興味のある方は明石海峡公園のHPで確認してみて下さい。
sh@

2006年02月24日

●0224 素屋根が外される

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鳶さんによってカヤマルの会場を覆っていた素屋根の解体が始まって、交流民家の茅葺き屋根がついにお天道様のもとにさらされました。
sh@

2006年02月23日

●060223 里山の庭師

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交流民家の屋根がようやく竣工にこぎ着けたので、あいな里山公園内にある茅倉庫周辺の茅刈りを行いました。ここは、茅葺屋が市民事業として「あいな茅システムズ」を展開している拠点であり、茅葺きのバックグラウンドソフトである茅刈りを中心とした、里山の維持管理に取り組んでいます。

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茅場の中にあったカヤネズミの古巣。茅場を代表する野生動物で、親指くらいしかないとても小さな野ネズミです。

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こちらは、ウグイスの古巣。茅場の脇に生えている、シノダケの葉を編んでつくられています。

かような生き物達に、生活の場を提供してきた里山の多様で豊かな自然環境は、人が生産活動の場として活用することで産まれ維持されてきました。里山は使ってこそナンボ。保護という言葉は似合いません。もちろん、使い方を間違えるようでは困りますけれども・・・
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茅刈りを済ませて、日の光が当たるようになった茅倉庫のまわりは、まもなく春の野花に飾られるでしょう。林の縁の落ち葉かきをしたところには、早速モズがやってきてエサを探していました。
人の営みの蓄積が風景をかたちづくる。正しい営みを重ねていくことでしか、美しい里山を取り戻すことはできません。
sh@

2006年02月19日

●0219 掃除

草の束である茅は、動かしただけでもぱらぱらと茅くずが落ちてしまいます。茅葺きというのはやたらとゴモクの出る工事です。もちろん、そのゴモクはゴミではなく資源であるのが、あるべき姿です。

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とにかく、毎日掃除していてもゴモクだらけの現場を、引き渡しの前にあらためて清掃。
屋根屋(職人)が葺いているときに、掃除をしたり茅を運んでもらったり、茅を縫い止めるときの針受けをしてもらったりする人を、「手伝い(テッタイ)さん」と呼んでいます。誰でも出来そうな作業に見えますが、実際には工程を読んで材料の配分をしたり、資材の搬入出の手配をしたり、肉体的な負担だけではなく経験とセンスが必要とされる仕事です。
sh@

2006年02月18日

●0218 軒刈り、そして・・・

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軒の厚みが均等になるように水糸を張って仕上げます。この軒先の仕上がりが悪いと、雨水が軒裏へ伝ってしまう屋根になるので、最後の仕上げまで気を抜けません。
そして、

できあがり。
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sh@