2006年02月08日

●0208 棟収め

茅葺き屋根は、並べた茅材を押さえた竹を下地に縫い止め、その竹を隠すように次の茅材を並べて・・・という風に、葺き上がってきました。
では、棟まで上がってきてそれ以上茅材を置けなくなったら、どうするのか?最後の茅材を押さえた竹を、いかにして合理的に雨水から隠すかという工夫が、地域性豊かな茅葺き屋根の棟の収まりとなってあらわれています。

交流民家では関西地方で一般的な手法の一つである、「マキワラ針目覆い」で収めました。神戸市内では播磨寄りの地域で多く見られます。
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まず、葺き収めた茅の上に、棟と平行な方向に横向きに積み上げた茅材を、表裏の最後に押さえた竹に通した針金で締めて、カマボコ状にします。

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締めた針金にさらに針金を通して、その上に一回り小さな茅カマボコを載せます。その針金にまた針金を通して・・・と、断面が三角になるまで鏡餅のように重ねていきます。

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最後に押さえた竹を隠すようにワラを並べて、竹で押さえて止めます。この時、端のワラがこぼれないように、ワラ束を杉皮でくるんだものを拵えておいて、両端に固定しておきます。

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雨養生のための二つ折りにした杉皮を敷き詰めて、風で飛ばされないように竹で押さえます。

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竹を押さえるための針金をとったところは、杉皮には隙間が出来てしまいますが、それを隠すために茅の束(マキワラ)を載せます。

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マキワラを杉皮でくるんで棟の雨養生は完成です。
sh@