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2006年03月14日

●060314 トタンは茅葺きの缶詰

現在、日本の茅葺き屋根のほとんどにトタンが被せられています。
茅葺き民家愛好家の方からは、「カンヅメ」等とよばれてあまり評価してもらえないようです。

トタン考1.jpg

しかし、トタンを被せたからこそ、茅葺き屋根を成り立たせていた伝統的な農業が行われなくなった後も、これほど多くの茅葺き民家を残せて来れたことは、間違いなく事実です。

トタンで覆われた屋根は、まさしく「茅葺きの缶詰」なのです。茅葺き屋根に厳しい時代を乗り切り、未来へ託すための。
sh@

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コメント

解りやすい、合理的な発想ですね。
いかにも農家らしい。
同じような発想が、お面をつけた町屋にもあるでしょう。
垂直の陸屋根にみせてたり暗いアーケードをつけてた店が、引っぺがすと、古来のやわらかい陰影をつくる庇がでてくる。庇は外と店の中間ですね。かるく軒を借りたり。

ichide!さん、コメントありがとうございます。

茅葺きの場合は縁側とかですね。

庇、縁側、土間、屋根裏、とバッファゾーンが豊富なのも、茅葺き民家の取り柄かもしれません。

こんちわ!
トタンの中にある茅は、虫が付いたり腐らないのですか?

ルナルナさん、こんにちは。

トタンは茅屋根に直接置かれている訳ではなく、束を立てて若干の隙間を設けてあります。また、屋根裏はもちろん茅屋根が剥き出しのままですから、通気性のある茅屋根が蒸れるということはありません。

トタンによって雨もかからなくなった内部の茅屋根は、非常に乾燥した状態になっているために、多くの虫にとって住みやすい環境でもないようです。

Tさんのブログからこちらへおじゃましました。

保存中の「茅葺の缶詰」をいつか開ける日がくるものもあるのですね。。。。。

未来へ託す為の「缶詰」!

トタンの屋根をこんどからそんな風に見つめられそうです。

○。°好日居 。○さん、こんにちは。

茅葺き屋根にトタンを被せて保護するのは、日本独特の文化のように思います。
地域によって、被せた時期によって様々な意匠を
見せてくれるトタンの屋根は、日本人の茅葺き民家との、柔軟で愛情に満ちた付き合いを示してくれています。

それを引き継いで、缶詰を開ける環境を整えて行けたらと思います。

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