●0708 続々・棟収め
棟の形に整えて積んだ茅の上に杉皮を被せます。
別にトタンでもルーフィングシートでも良さそうなものですが、そういうものを使った棟を解体すると蒸れて傷んでいることがあります。杉皮にしてもそれほど通気性に優れていようには思えませんし、自然素材だから良いと決めつけることは出来ないのですが・・・
杉皮の上に瓦を吊るための竹を固定して、瓦を載せて行きます。
杉皮だとそれ自体に端をしっかり押さえるだけの固さがありながら、ハサミで切りそろえることも出来ることは、他にはない明らかな長所です。
瓦の割り付けが終わったら、お寺によって「棟祭り」が執り行われました。
ご住職が袈裟に草履履きで棟まで上ってこられたのにはびっくりさせられました。手には火のついた香炉まで持っていたし。
等とやっているうちに、とうとう軒は全て落ちて(刈り揃えて)しまいましたよ。
でっかい軒でした。やれやれ。
軒は僕一人で全て落とした訳では無く、実は火曜日から美山のナカノさんがオーサキ君を連れて応援に来てくれています。
オーサキ君は藍那交流民家でも活躍してくれました。久しぶり。
棟の方も瓦が漆喰で固められて、完全に位置は決まったようです。
棟の位置が固まったので、屋根の四隅をハサミで刈り通して、仕上げの刈込みの基準となるコーナーのラインを出します。
ハサミを持った後ろ姿がナカノさん。常日頃お世話になっている僕の兄弟子ですが、今や日本を代表する親方職人の一人となられて、「関西の若手のホープ」というかつての枕詞はもはや失礼ともなりました・・・