●060930 初秋
美山の現場の途中ですが工程を調整してもらって、神戸で一週間作業して来ました。
藍那の里山では、草刈りを続けて来た場所でススキの尾花が咲き始めています。
いよいよ茅場に銀の波がうねる季節となってきました。
葺き替えの途中で神戸に行って来たのは、ストックしてある茅材のうち他所の倉庫にご好意で置かせて頂いていた分を、搬出する期限が迫っていたためです。
茅材はとにかくかさばるうえ湿気や水濡れに弱いので、保管のための場所を確保するのに苦労させられます。
倉庫に山積みの茅を運び出していると、こんなものが出て来ました。
鶏卵の半分くらいの卵の殻。そしてヘビの抜け殻。
やがて茅のあいだからこんなものがたくさん出て来ました。
生まれて間もないアオダイショウの子供たち。
まだら模様がマムシに似ているせいで、間違えて殺されてしまう事も多いのですが、体形が細めだし頭部を隠して守ろうとするので、落ち着いて見れば簡単に見分けられます。
ネズミを獲りに茅葺きの屋根裏で暮らしているおっ母さん達は、農家の守り神として昔は大切にされていたものですが・・・
10年以上茅刈りを続けて、ニュータウンの道路法面で育てている茅場の様子も見て来ました。
今年は少し生育が悪いかなあ。
ススキの根元にはナンバンギセルの可愛らしい花が。
変な名前ですが、万葉集にも詠われた在来種だそうです。
ススキの地下茎に寄生するこの花は、元気なススキ野原がなければ咲く事が出来ません。
茅刈りをすることによってこんな貴重な植物が、団地の中であっても群生する自然環境が育まれています。