●0407 軒付け/いさざ
軒付けは進んで、軒の裏側になる部分は付け終わりました。短い材料を使って下地に対して角度を稼ぎます。
これから葺いて上がって行く際に、茅を屋根に設置する角度の基準となります。
美山の屋根も相当勾配がきついのですが、丹後の屋根の平(ひら)面はそれ以上に急角度なので、何も対策をとらずに葺いて行くと、奥の方が起きて茅を設置する際の角度が急になりすぎてしまいます。
なるべく茅が寝るように、材料や葺き方に気を遣っていく必要がありそうです。
さて、周りを海に囲まれているとはいえ山深い丹後半島には、谷川がそのまま海に注ぐような、きれいな流れの川がいくつもあります。
旧永島家住宅の前でもそのような川が阿蘇海(宮津湾の天橋立に仕切られた部分)に注いでいて、まだ寒いのに放課後の子供達が水遊びに集まって来ますが、この時期子供の他にもそのような川のうちのひとつに集まって来るのが「イサザ」です。
「この時期に丹後に来たらイサザ食わなあかんわ」と博物館の方に薦められて、イサザ漁の漁師さんを紹介してもらいよくわらないままに買いに行きました。
買ってみて判ったのですが、イサザとは産卵のために河口に集まって来たシロウオのことでした。
踊り食いを珍味として高級料亭で供するというイメージがあったのですが、漁師さんは一合単位でドパッと売って下さいました。
さて、それをどうするか。
ぼやぼやしているとせっかくの新鮮なシロウオが、見る間に弱って行くようです。
一応踊り食いにも挑戦してみましたが、それで量を食べるものでもありませんし。
吸い物、卵とじ、素揚げなどなど、淡白なのに噛むほどに味の濃くなる、なかなかに後を引くお味でした。