« 0721 軒付け/理想の現場 | メイン | 0725 棟の解体 »

2007年07月23日

●0723 斜め軒付け/メガヤ

お施主さんが用意されて屋根裏に保管されていた茅の中に、3束だけメガヤが混じっていました。
手前の束がそれで、奥のススキと比べてみて下さい。
0721P1080473.jpg
美山で茅屋根を葺くようになって10年以上過ぎましたが、古茅でないメガヤを見たのは初めてでした。
かつてメガヤを育てていた標高の高い尾根筋の茅場は、美山ではもう絶えてしまったと思っていました。

断面を見ると穴が開いていて水切れが良く、合掌集落で有名な五箇山でかつて主流であった「コガヤ」のように、耐久性があると言われています。
0721P1080476_2.jpg
3束だけでしたからまとまった茅場があるという訳では無いのでしょうか、生えている姿を一度是非見ておきたいものです。

さて、屋根の方は今日までの3日間、「きたむら茅葺き屋根工事」改め「美山茅葺き株式会社」から、応援に来てくれていたので随分捗りました。
0723P1080484.jpg
屋根の大きさは決まっていますから、やたら屋根屋の人数を増やせば良いというものではありませんし、「テッタイ」さんの人数とのバランスも考える必要もありますが、美山サイズの屋根だと両角を付ける2人+真ん中に2人というのはなかなか恵まれた編成でした。

先方の現場の合間の、忙しい時間を割いて手を貸してくれました。ありがたい。
おかげで手間のかかる「斜め軒」の部分が仕上がりました。
0723P1080485.jpg
まあ、もっといてくれても良かったのですけれど w

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kayabuki-ya.net/notebook/mt-tb.cgi/260

コメント

チームプレイなのですね。そうやって、継がれていくのですね。

「美山茅葺き株式会社」って、わかりやすい名前ですね。しかも、ひらがなが真ん中に一文字入るだけで、やさしいイメージになるものですね。

とまとん さん、コメントありがとうございます。

まさしく、茅葺きはチームプレイです。
自分の担当しているパートだけきれいに仕上げても無意味で、現場のメンバーそれぞれが技能レベルに応じて力を発揮し、「一人前」の仕事ができるように編成や工程を工夫することが大切です。

僕はそのためにも職人にとって、相互の意思疎通は欠かせない技能だと思っています。
いわゆる職人のイメージとは異なるかもしれませんが・・・
自分もまだまだ至らないコミュニケーションの力を高めて行けたらと思います。

コメントする