2007年09月06日

●070906 夏の終わり

久し振りに神戸の里山にやってきました。夏のあいだに繁った、藍那の茅倉庫周りの草刈りをしておくためです。
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もともと田んぼだったところでぬかるんだ場所も多く、そういう場所では茅刈りを重ねていても、痩せて乾いた土地を好むススキはなかなか生えて来なかったのですが、代わりにミゾハギが群落を造るようになりました。
萩の花も秋の七草のひとつです。手入れされた茅場のなかで、地質や日当りによって色々な植物が棲み分けているようです。

一方で人の手が入らなければ日本の自然は実にワイルドです。
それらは一見緑豊かに見えても、実際にはクズがすべてを覆い尽くそうとしているこの茅場の周りの廃田のように、単調で貧弱な植生になってしまいます。
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変化に富みやさしい日本の自然とは、あくまでも日本人が生態系の輪の中において、その務めを果たすような暮らしをしていればこそ育まれて来たのでしょう。
おじいさんとおばあさんが、日々の暮らしの中で手入れされておられた先の現場の周りのように。

ところで造形としては、日本の自然もナチュラルなアースカラーだけに彩られている訳ではありません。
人間の勝手な思い込みを吹き飛ばすような、派手なデザインにしばしば出くわします。
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草刈りをしているとササの中から現れた、この岡本太郎のオブジェかと思うような作品は、狐の錫杖(ツチアケビ)。

このタマムシのめくるめくような輝きも、また。
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アリがきれいに空っぽにしてしまった殻を、丁稚サガラが拾いました。
子供が拾えば宝物になりますね。大変な手間をかけて一枚ずつ厨子に貼った、天平人の気持ちもよくわかります。
生きているときはもっときれいな輝きを放つそうで、見てみたいものです。

神戸のアパートに戻ると、4階の窓の正面になる電信柱のてっぺんで、モズがキキキキ、ケケケケ、と高鳴きを始めました。
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見上げれば暮れて行く秋の空。
昼間は草刈りで大汗かいて来ましたが、もう既に次の季節が始まっています。