●1129 軒付け
茅葺き用の下地の段取りが整ったので、いよいよ茅を葺き始めます。
今回は垂木が竹となり釘打ち出来ないので、カヤオイも丸竹を藁縄で結わえ付けて使います。
例によってまずは堅めの材料をかきつけて行きます。今回は宮城から届いたヨシの一部を使います。
ヨシの茎の中は中空で断面には穴が開いていますが、ヨシに混じって茎の中が詰まって断面が白いものが混じっています。
何という名前の植物か判らないのですが、ヨシとは異なる種類だと思います。しかし、ヨシに混生して外見はそっくりなので、刈り取られて茅材となったヨシには常に紛れ込んでいます。
ストロー状のヨシに比べて通気に欠けるせいか耐久性が劣るようで、刈り子さんからはヨシに対して「アシ(悪し)」と呼ばれていたりします。雨に濡れる屋根表面に使うのは避けたいので、選り分けて屋根裏となるかきつけに用いることにしました。
「アシ」をかきつけた上に、角度を稼ぐための稲藁を取りつけて行きます。
最後に長くしっかりとしたススキを並べて竹で押さえて、軒裏となる部分が葺かれました。
美山では時雨れていたというのに冬の瀬戸内は天候に恵まれて、茅葺きのセオリーから外れた下地に手こずりながらも、今のところ仕事は捗っています。
里山公園のある藍那は、神戸の中では天気の崩れやすいところではありますが。