2008年04月01日

●0401 続・差し茅

我々関西の茅葺き職人は、通常なら先に大間(屋根の平面)を葺いてから、それを規準に小間(屋根の妻面)を葺くのですが、事情があり先に小間を葺いたので少々差しにくい思いをしました。
P4011742.jpg
アリゴシまで葺き上がったのでこれからはもうそんな不自由はありません。

ところで工期中は現場に泊まり込ませて頂いているのですが、こちらの茅葺き民家は「茅葺き住宅」として活用するために、色々とアイデアを凝らしたアレンジがなされています。
僕が寝ている屋根裏を改造した2階の間もそのひとつ。大きく開けられた窓からの光が美しい屋根裏の造作を照らしています。
0713P4052806.jpg
ただし、居室の天井が茅葺きの「現し」だと、やはりゴミやホコリが落ちて来ます。
ましてや屋根葺きの最中なら尚のこと!寝具や着替えを毎朝シートで養生することは欠かせませんでした。

僕の個人的な考えとしては、茅葺き屋根の下は居室に使う天井のある部分と、縁側や土間、囲炉裏の間など「半屋外」として割り切り吹抜けにする部分に分けてしまった方が、住宅としては使いやすくなり屋根も長持ちするのではないかと感じています。
そのあたりのことは砂木の家で試してみたいと思っています。