2008年06月11日

●0611 棟替え

美山に戻って来て、隣町の京北(京都市右京区旧京北町)のお宅の屋根修理に伺います。
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棟が傷んでいるので積み直し、ついでにケラバもエッジが立つように直してほしいとのことです。

ハシゴをかけて屋根を間近に見てみると、ケラバの近くでは屋根表面に銅線がたくさん表れています。
「捨て縄」と呼ばれる技法で、押さえ竹より外側、屋根の表面から浅い位置で、針金や銅線、麻縄などでかきつけてあります。
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こうすることで屋根表面は目の込んだ仕上がりになりますが、茅葺き屋根は隙間があるからこそ細い茅材一本一本の表面張力が釣り合い雨が漏らないので、強くかきつけて隙間が無くなると雨の染み込みやすい屋根になる懸念もあります。

棟の雨養生の杉皮も厚みが充分ではなかったのか、穴の開いた箇所から棟の中にも雨が入り込んでいます。
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ウマノリはその重量で杉皮を押さえています。
最近の美山ではウマノリで棟を挟むようにして止めているので、載せているだけのこの屋根の収め方は、形は同じでも美山の屋根とは工法としては全く異なることになります。

重くて耐久性のある栗の木で作られたウマノリを、高い屋根の上から上げ下ろしするのは危険な作業。
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焦らず慎重に行います。

棟飾り(単なる飾りではありませんが)の材料は全て撤去しました。
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手前側の屋根のケラバは、始めに差し茅で直してあります。