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2008年07月29日

●0623 Ridge

10年ほど前に美山町の茅葺き民家が、イギリスから招かれたロジャーさんという職人によって葺き替えられたことがありました。
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母国では茅葺きの学校で若い職人を指導している彼を少し手伝ったことが縁となり、その学校で半年間の研修に参加する機会に恵まれました。

ロジャーさんの家に下宿しながらのイギリス滞在は、技術の習得のみならず職人としての視野を大きく広げてくれました。
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そのロジャーさんから「Japanese Templeの屋根を葺くから」と呼び出されたので、慌ただしくイギリスまで出かけて来ました。

茅葺きといえどもその工法などに合理化の進む西欧圏において、イギリスの茅葺き屋根は地域毎に異なる葺き材や華麗な装飾の棟収めなどに、古来の豊かな地域性を残す点で特徴があります。
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ロジャーさんの葺き替えたイギリスの茅葺き古民家。

例えばオランダでは、エコロジカルな高級仕上げ材として茅葺きは人気があり新築も盛んですが、その棟収めは専用に作られたタイルによる簡便なものにほぼ統一されています。
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新築の茅葺き住宅が建ち並ぶオランダのニュータウン。

今回の現場は日系の仏教センター。ロンドン郊外の住宅地に建つ戸建て住宅の裏庭に、枯山水のお庭とそれを眺める茅葺きの四阿がありました。
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これは竣工写真です。
昔ながらの工法によるイギリスの茅葺き屋根の棟は、屋根そのものに比べて耐久性に劣るので、葺き替えを待たずに棟だけ積み直す必要があります。
京北に続き9000km離れたところでまた棟替えという訳です。

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