2008年11月12日

●お知らせ 茅刈り体験会@美山

茅葺き現場体験会 カヤカル 参加者募集開始しました。

昨年、美山町「砂木の家」建設現場で行われたカヤマル'07@美山に続いて、地元砂木集落の主催で次回カヤマルの開催が決まりました。
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来年5月にこの村のお堂の屋根の一部を葺き替える際に、地下足袋持参での2泊3日の茅葺き体験会を行います。
それに先立ち12月6,7日に、葺き替えに使うための茅を村の人たち皆で刈り集めます。
そこで1泊2日の「茅刈り体験会 カヤカル'08@美山」を開催し参加者を募ります。


人と自然の共生する伝統的な暮らしの文化に触れ、山里での営みの喜びも苦労もリアルに体験できる機会です。

村のおっちゃんやおばちゃんたちと一緒に鎌を手に汗を流し、茅葺きが里山の大地としっかりと結ばれていることを実感してみてください。

期日:2008年12月6日(土)〜12月7日(日) 1泊2日

会場:京都府南丹市美山町高野地区 「砂木」集落内の茅場
   (重要伝統的建造物群保存地区指定の茅葺き集落まで車で 30分)

詳細http://www.kayabuki-ya.net/plans.htm

問合せ:info@kayabuki-ya.net

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2008年01月06日

●080106 茅葺き現場体験会@里山公園

あいな亭の屋根葺き現場を会場に、国営明石海峡公園事務所主催による茅葺き現場体験会が開催されました。
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茅葺屋はカヤマルのノウハウを活かして、当日の進行を預かりました。

講師役としてはあいな亭を一緒に葺いている「山城萱工房」のヤマダさん、「飛騨かやぶき」のスギヤマさんに加えて、「美山茅葺き株式会社」のナカノさんもそれぞれ、ひとりずつのお弟子さんを連れてやって来て下さいました。
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集まったのは明石高専で建築を学ぶ学生20余名。
参加者5人に職人2人という豪華な布陣。さらには茅バイトのメンバーにもサポートしてもらいながら、いつもの如く実践主義で茅にまみれてもらいました。

体を動かしながら垣間見た茅葺きの秘密、並んで作業しながら耳にした職人の言葉、始めて触れる茅の重さや匂い・・・
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今日一日の体験はやがて彼等が巣立って行く社会へと、ゆっくりと時間をかけて還元されて行くことでしょう。


公園事務所では屋根葺きに続いて茅刈りの体験会も開催されます。
興味のある方は上記HPにて詳細をご覧下さい。

2007年10月09日

●071008 カヤマル'07最終日

カヤマル最終日は朝から雨となってしまいました。
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雨の日は作業はできません。それでも2日間快晴に恵まれて何よりでした。

雨の日はのんびり過せる機会でもありますから、時間をかけて茅葺きの見学へと出かけます。
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昨夜遅くまで話しに熱が入っていた一部の方には、恵みの雨だったかもしれません w

初日に訪ねた区長さんのお宅を再訪すると、囲炉裏に炭火を熾してもてなして下さいました。
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お住まいのご夫婦からは、茅葺きでの暮らしについてじっくりとお話を伺うことができました。

美山町を象徴する茅葺き集落、「北」の伝統的建造物群保存地区まで足を延ばしたところ、幸いにも雨は止み間となり、集落内へと散策に向かいます。
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「茅葺きの里」を歩いていても、自分で葺いたあとだけに見えるものも違って来ているのではないでしょうか。

かつての庄屋格だったお宅に立ち寄り、藍染め作家をされているお住まいの方からお話を伺います。
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藍染めに適したきれいな水と、美しい景観をもとめてこの地に移って来られたこちらの方は、昨年まで茅葺き保存会の会長をつとめられていて、保存地区での暮らしやこれからの展望についての興味深いお話しを聞かせて下さいました。

村の外れにはナカノさんの美山茅葺き株式会社の茅倉庫があります。
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そこで職人さんたちと再会。
お昼ご飯にお弁当を食べながら、茅倉庫を見学しながら、最後にゆっくりお話を聞く機会が得られました。

カヤマル'07は、おかげさまで事故も無く無事終了しました。
職人さんたち、地区住民の方々、そして何より参加者の皆さんのおかげで、実り多い3日間とすることができたと思います。
新しい茅葺きの輪を拡げていくためにも、これからもカヤマルは続けて行けるように頑張りたいと思います。

2007年10月08日

●071007 カヤマル'07中日

カヤマル2日目も朝から快晴です。
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地下足袋で足下を固めて、いざ現場へ。

今日は茅を葺く作業に参加します。
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まず茅を扱う注意事項に耳を傾けます。

適切な勾配となるように、長い茅と短い茅を重ねて並べます。
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置くのではなく、きれいに並べなければなりません。でも長い茅は真っ直ぐにするのはとりわけ大変です。

並べた茅は足場の丸太で仮止めします。
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「トックリ結び」を習って針金で止めて行きます。

仮押さえした茅を叩き揃えて屋根の形を作って行きます。
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叩き方が足りなくても、叩き過ぎてもいけません。しかも、結構力がいるので大変です。

揃えた屋根は竹を針金で縫い止めて固定します。
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押さえの竹は奥過ぎても手前過ぎても問題を生じてしまうので、叩いて変わったりする屋根の形を読んで、適切な位置に固定する必要があります。

屋根の裏側の人と2人ひと組で、大きな針の先にかけられた針金を掛けかえながら、針金を垂木に縫い止めていきます。
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針は垂木のすぐ際に差し込まなければ、針金を締めた時に茅を寄せて割ってしまうので、雨漏りの原因になりかねません。
裏側の人は表で針を差す人に声をかけて、垂木の際に誘導してあげます。

その頃、茅のストック場所では、茅を所定の長さに切断して、勾配を調整するための短い茅をせっせと作っています。
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茅を切るための「押し切り」という道具を使うのも、ほとんどの方が初めてです。

作った切り茅は現場に運んで、リフトに乗せて足場の上に。
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4面ある屋根のあちこちを葺いていますから、必要とされる場所まで運んでおきます。

今日は雨養生のシートをかけて帰りましょう。
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下地の竹が上の方まで組まれたので、シートをかけに上がるのも足場が出来て随分楽になりました。

お風呂は近くの料理旅館「きぐすりや」さんが使わせて下さいました。
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休憩用に趣のあるお座敷も使わせて頂いたので、昼間の疲れをゆっくりと癒すことができました。

宿舎に使わせて頂いている集落の集会所に戻って、職人さんたちも交えて鍋をつつきながら、夜が更けて行きます。
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2007年10月07日

●071006 カヤマル'07初日

茅葺き現場体験会「カヤマル'07」。台風の接近が気がかりでしたが、幸いにして快晴の初日を迎えました。
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カヤマルのために、茅葺屋の他に6人もの職人さんたちが集まってくれました。
おかげで何とか軒裏を付け終わりましたが、初日の朝も参加者を迎えるギリギリまで、現場をカヤマルプログラムが充実する状態にするため、作業が続いています。

一方、遠方から山奥のカヤマル会場へ集合するために、早朝から家を出て下さったであろう定員枠一杯の参加者たちは、早速縄結び講習会で歓迎します。
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台所から家づくりまで、「男結び」は田舎暮らしの基本スキルですが、結び方を知っていてもきちんと堅く結束するためには、慣れが必要となる難しい結び方でもあります。しかし、茅葺きにも不可欠な技術なので、現場に入る前に充分な練習を積んでおきます。

昼食後、大きな茅葺き屋根の砂木区の区長さんのお宅を訪ねて、天井裏まで上がらせてもらいました。
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既存の茅葺き民家の構造を、間近に見学させていただきます。

充分な予習を積んで、いよいよ現場入り。
早速屋根に上がって、特訓の成果を見せるべく、男結びで下地の横竹を結束して行きます。
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初めは竹を組んだ下地の上で足場を決めるのも一苦労の様子でしたが、職人さんたちの直接指導を受けて、実践を通して鍛えてもらいます。

後半には葺く作業にも参加。
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重要な軒の部分の作業でもあり、教える方も教わる方も真剣です。

一日の作業の最後には、当番を決めてサガラ料理長の指示のもと自炊。
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職人、ご近所、参加者、みんなでつくるカヤマルです。

2007年09月05日

●茅葺き現場体験会 参加者募集開始します

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茅葺き現場体験会 「カヤマル'07@美山」 参加者募集開始しました。

現代における茅葺き屋根での暮らしの在り方を模索した、 新しいコンセプトの茅葺き実験住宅として建築中の「砂木の家」にて、 茅葺き屋根の現場体験会「カヤマル'07@美山」が開催されます。

「見学会」ではなく「体験会」です。
真面目で、しかし気さくな若手の茅葺き職人たちが丁寧に指導します。
良い季節を迎える「茅葺きの里・美山町」で共に屋根に上がり、
茅葺きの喜びも苦労もしっかり体験できる貴重な機会です。

地下足袋持参でぜひお越し下さい。

●茅葺き現場体験会「カヤマル’07@美山」

期日:2007年10月6日(土)〜10月8日 (祝) 2泊3日

会場:京都府南丹市美山町高野地区 「砂木の家」建設現場
   (重要伝統的建造物群保存地区指定の茅葺き集落まで車で 30分)

詳細http://www.kayabuki-ya.net/plans.htm

問合せ:info@kayabuki-ya.net

[砂木の家建築記]↓
http://www.kayabuki-ya.net/notebook/cat21/

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2007年02月18日

●070218 カヤカル'07

神戸の落合団地での茅刈り体験会、冬晴れでの開催が恒例なのに当日は朝まで気をもむ天気でしたが、何とか雨が降ってくることも無く今年も無事に終了しました。
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直前の告知になってしまったにもかかわらず、朝早くから15名の方々が集まって下さいました。

年々親子で参加して下さる方が増えているのも嬉しいことです。
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安全管理の面で心配が全くない訳では無いのですが、そんなことより我々以上に心配なはずの保護者の方が、お子さんを連れて来て下さるのがとても嬉しいです。

子供の時に体験しなかったことは、大人になったときに懐かしく思い出すことは出来ない訳ですから。
刈りたての茅の匂いや茅束の暖かさを、いつか彼らが懐かしく思い出してくれることがあれば、それこそ本当に嬉しいことです。

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茅場の周りの団地にお住まいの方々にも、もっと茅場のことを知って頂きたいので、歩道橋には茅と茅葺きに関するパネルを掲示しておきました。

茅刈りは始めると結構大人を熱中させてくれます。
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子供たちの方はやがて刈ることに飽きて来ても、茅場には他にも興味を引くものはたくさんあります。

冬でも茅場で見られる色々な生き物たちもそのひとつ。
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眠たげなカナヘビの他にもバッタの仲間やカマキリの卵などなど。

そして、子供たちの他にもそんな小さな生き物たちを狙っているものが。
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茅を刈って地面が現れた場所をさっそく見張っていたモズ。
参加者のコバヤシさんが撮影された写真を送って下さいました。

最後に刈り取った茅束を皆で搬出。
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夜明け前まで降っていた雨のせいで午前中に刈った茅はやや湿っていましたが、倉庫の軒先に立てておけば冬の神戸の風が乾かしてくれます。

参加者、スタッフのの皆さんお疲れさまでした。
色々不手際も多かったことと思いますが、茅刈りの環が少しずつでも広がっていくような活動にして行きたいと思っていますので、これからもよろしくお願いします。