2006年02月27日

●0227 (屋根だけ)竣工写真

週末は季節外れの嵐となりましたが、素屋根が完全に取り払われた交流民家の茅葺き屋根は、何事もなく無事でした。
ま、それで当たり前なんですけれどね。
茅葺き屋根こそが建物を守るシェルターな訳ですから。

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設計監理と施工管理による検査はすでに終わっていましたが、ある意味この嵐が本当の竣工検査のようなものでした。無事クリアして引き渡しです。
ほっとすると同時に、何とも言えない寂しさも。

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茅葺き屋根は場所によって傷み方に差がありますから、葺き替え工事の場合は屋根を幾つものパートに分けて、時間差を設けて葺き替えていきます。ですから仕事を認めて頂いて、ある屋根の面倒を見せてもらえることになれば、10年に一度くらいはその屋根のどこかの修理に訪ねて来る事になります。

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しかしながら、交流民家のような新築工事の場合は、最も傷みやすい部分でも葺き替えが必要になるまでには30年くらい保つ(ハズ)ので、僕のキャリアの中で直接面倒を見る可能性のある機会は、棟の修繕くらいになるかもしれません。
そう考えると寂しさもひとしお。
sh@


2006年02月25日

●0225 ゴモク、土に還る

茅葺き屋根を葺き替えるときの大量の古茅くず=ゴモクは、優秀な肥料としてかつての伝統的な農業生産には欠かせないものでした。
交流民家は新築なので古茅は出ませんが、屋根を葺くだけでもトラック何台分もの茅くずが発生しています。もちろん、これも有機栽培をしている人にとっては、肥料原料や天然のマルチとなる宝の山です。

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バイトのサガラくんが自分の畑に入れるためにゴモクを持って帰りました。

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ゴモクが建築廃材として扱われることなく、資源として土に還ることでカヤマルのマル(環、円、輪)は完結します。

ちなみに交流民家のゴモクは、欲しい方なら誰でも取りに来てもらえるのですが、事前の告知が行き届かなかったこともあって、まだたくさん残っています。
配布時間の延長など条件も緩和される方向なので、興味のある方は明石海峡公園のHPで確認してみて下さい。
sh@

2006年02月24日

●0224 素屋根が外される

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鳶さんによってカヤマルの会場を覆っていた素屋根の解体が始まって、交流民家の茅葺き屋根がついにお天道様のもとにさらされました。
sh@

2006年02月19日

●0219 掃除

草の束である茅は、動かしただけでもぱらぱらと茅くずが落ちてしまいます。茅葺きというのはやたらとゴモクの出る工事です。もちろん、そのゴモクはゴミではなく資源であるのが、あるべき姿です。

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とにかく、毎日掃除していてもゴモクだらけの現場を、引き渡しの前にあらためて清掃。
屋根屋(職人)が葺いているときに、掃除をしたり茅を運んでもらったり、茅を縫い止めるときの針受けをしてもらったりする人を、「手伝い(テッタイ)さん」と呼んでいます。誰でも出来そうな作業に見えますが、実際には工程を読んで材料の配分をしたり、資材の搬入出の手配をしたり、肉体的な負担だけではなく経験とセンスが必要とされる仕事です。
sh@

2006年02月18日

●0218 軒刈り、そして・・・

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軒の厚みが均等になるように水糸を張って仕上げます。この軒先の仕上がりが悪いと、雨水が軒裏へ伝ってしまう屋根になるので、最後の仕上げまで気を抜けません。
そして、

できあがり。
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sh@

2006年02月17日

●0217 今日も軒刈り

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軒裏を刈り落としたら、軒先の部分を刈り揃えて仕上げます。
sh@

2006年02月16日

●0216 軒刈り

上から順番に足場丸太を外しては、刈り込んで仕上げてきました。
最後の丸太を外したら、先に軒裏の面を仕上げます。軒のラインに水糸を張ってきちんと水平が出るようにします。

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ハサミの重さを腕で支えて刈るので結構大変です。
軒先の角度を大きくすれば(つまり軒先から斜め下に向かって刈れば)刈るのは楽になりますが、軒端で雨水が切れずに軒裏に回りやすくなるので、軒裏が地面と水平になるくらい軒先は薄くします。
かといって、本当に水平にしてしまうと軒先の強度に問題が生じてきます。屋根表面のように引っ張り出すことは殆ど出来ないので、刈りすぎたらやり直しのきかない一発勝負となります。

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いかんせん、肉体的負担の大きな工程なので、各自色々とやりやすい姿勢を工夫しております。
sh@