神戸市北区役所主催で開催の運びとなった、茅刈りイベント。
当日は朝から雨のぱらつく生憎の天気となってしまいました。
しかし、天気は次第に回復の見込みとのことです。
参加者のために早朝から大量の鎌を研ぐ、丁稚サガラ。
予定では午前中茅刈り体験、午後に茅葺きレクチャーとなっていましたが、天候の回復を待つために順番を入れ替えます。
神戸には意外と茅葺き民家がたくさんあることや、茅を刈るとなんか良いことありそうなことを、スライドとともに解説。
午後になると陽射しも回復してみるみるうちにススキは乾き、無事に茅刈りを始めることが出来ました。
住宅地の中にあるこの法面は、環境整備のための除草作業がたまたま冬場に行われていたために、結果的に茅刈りを続けて来た草原のような生態系が整いつつありました。
このナンバンギセルのように、人が茅場として利用している、ススキ野原に依存する植物も見られます。
しかし、去年までは除草されたススキは、ゴミの山にしかなりませんでした。
今年はみんなで鎌を手にして、ほんの少しのコツと手間で、ススキは茅という資源になりました。
最後には青空も広がりました。
僕は、いくら茅葺き民家を文化財に指定して保存しても、ススキやヨシが茅になることをみんなが忘れてしまったら、茅葺きという文化は絶えてしまうと思います。
逆に言えば、きれいなススキが生えているのを見たときに、「良い茅だな」と思う人が増えて行けば、茅葺きという文化は支えて行けるとも思っています。
収穫された茅は市登録文化財赤井家住宅の葺き替えに寄贈されます。
さて、イベントのあとには、きちんと後片付けも忘れずに。
刈り残した雑草と、ススキの葉やハカマといった茅くずを掃除して、有機栽培の農家さんのところで、堆肥原料に。
手間をかけただけ美しく豊かになってくれる茅場。
春になれば新緑が萌え出て、秋にはきっと今年以上の銀波が輝くことでしょう。
楽しみです。