お天気続きで、無事に棟が収まりました。
平行して、納屋の差し茅をするための足場を組んでいます。
ケラバを刈込む、美山茅葺き(株)のナカノさん。
入母屋づくりの屋根にとって、ケラバは顔とも言える場所です。仕上げのハサミをかけると、草を積み上げた屋根が端正な表情に一変します。
手間のかかる隅の部分をひとつひとつ積んで来た職人にとって、仕事の成果を問われるとともに、誇らしくもある工程です。
ケラバを刈り落とすことが、屋根屋の花型のひとつかもしれません。
きれいに軒まで刈込み、終了です。
仕上がった母屋の方は先に足場を解体してしまいました。納屋の差し茅をしている間に、掃除を済ませてしまうためです。
アリゴシから上だけ葺き替えた裏側には、意図的な段がつけられています。
このような「つぎはぎ」のある屋根が見られることこそ、美山町では茅葺き屋根が暮らしの中で普通に使われいていること、言わば茅葺きが「生きている」ことの証しなのです。