無事に棟も収まって、仕上げにハサミで刈込みます。
見ているさくさくと子気味良く刈って行くようですが、大きな屋根鋏は重くて疲れるし、仕上げた屋根の照り返しはきついし、なかなか厳しい作業です。
それでもやはり、個人的に刈込みは「屋根屋の花道」だと思います。
ハサミが切れないと疲れるだけではなく、仕上がりにも響いてしまうので日に何度も研ぎ直します。
たとえどんなにハサミが切れても、葺いて上がる段階で正しく葺かれていない屋根は、刈込んでもきれいに輝いてはくれません。
長い工期のあいだ毎日積み重ねて来たことが誰の目にも明らかになるので、刈込みは怖くもあり誇らしくもあるのです。