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ごあいさつ

「茅葺き職人のブログ」を訪ねて下さる皆様、
長らく更新が滞ってしまい申し訳ありませんでした。

屋根屋こと私、茅葺屋代表 塩澤は、7月に事故で脊椎を傷めて以来、リハビリのために入院しております。
下肢麻痺は回復の兆しが無く、自分が今でも茅葺き職人であるのか自信が持てませんが、残りの人生も茅葺きを生業として生きて行くことしか考えることができません。
P9123844.jpg
何よりありがたいことに、周りの人々の暖かい励ましと多大なご助力によって、茅葺屋としての活動は変わらず続けさせて頂けております。
未だ自分が登ろうとしている山の頂が、どれほど高いのかその全容すら眺めることも出来ずにいますが、茅葺きの繋いでくれた人の縁と、命あり上半身が自由であることに感謝して、一歩ずつ前に進んで行こうと思います。

今後とも茅葺屋をよろしくお願いいたします。


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コメント (11)

河野啓介:

しばらく更新されていないので心配していましたが、事故に遭われていたのですね。
慰めの言葉も思いつきません。
一刻も早く、快復されることを祈っています。

せいこ:

驚きました。
でも、活動は変わらず続けられているとのことで
心強く思いました。

このまえ、湯涌のかやぶきの農家で映画の上映をしました。16ミリの映写機カタカタいわせて。
おじいちゃんたちは、なんでまたそんなわざわざ面倒なことするんや!と笑っていたけど
なぜだか、かやぶきの空間にいると、
そういう面倒なことを、ただ楽しめるんですよね。

去年、塩澤さんたちが金沢にきてくださってから
あの場所はすごく使いやすい場所になってきましたよ。
(市の文化財ということで、ガチガチだったんですが)
今は、頼めば地域のおじいちゃんたちが囲炉裏に火を
入れてくれるし、その周りで思い出話に花を咲かせてくれます。生きた場所になってきたように感じます。

あのときの塩澤さんの話、ほんとによかったので
私は友達にきかせてあげたいです。
自然の循環の中にちゃんと人間の居場所がある、というようなお話。私はそれにすごく救われたので。
ぜひ、また金沢にきてください。
いつか企画しますから!!

おちさとし:

 自信持ってください。

 かげながら応援しております。

 

上 陽子:

塩澤さま

メールのお返事をありがとうございました。

心配が杞憂に終わればと思っておりましたが、
事故に遭われたことは、本当に慙愧の思いです。
しかしながら、本当に命があって良かった、
その一言につきます。


塩澤さんはとても明晰な頭脳をお持ちです。
だから塩澤さんには、茅葺屋として、
形こそ違えど、その思想を伝えること、広めること、
これからもたくさんできると思います。

微力ながらそのお手伝いをさせてください。
退院され、少し落ち着かれましたら、
金沢へぜひおいでくださいね。
みな、待っています!!


ceico:

命があって何よりです。
本当に良かったです。

この数年、色々な人の死にあいました。

生きている(生かされている)ということはまだやらなくては行けない事があるのですよね。

私には何も出来ませんが心より応援しています。

皆様、暖かいお言葉をありがとうございます。

>河野啓介 さん、

病院にいますが、病人とは違うので元気です。
自転車に乗れなくなってしまいましたが、ハンドサイクルもずいぶんと性能が上がって来ているみたいなので、カタログなど眺めて慰められています。
ただ、お値段も随分で(苦笑) コルナゴやデローサより高い・・・

春には美山に帰るのを目標としているので、またよろしくお願いいたします。

>せいこさん、

おかげさまで、こうして励ましのお言葉を下さる皆さんも含めて、茅葺屋がたくさんの人たちに支えて頂いていることを、あらためて実感して感謝する毎日です。

湯涌の茅葺き民家が生き生きとしている様子を知らせて頂き、とても喜んでいます。
本来茅葺きには人が集い、人を繋ぐ力があると思います。それが活かされているのは、茅場つくりからはじまる、腰の据わったせいこさんたちの活動が続けられているからだと思います。
全国で寂しい思いをしている茅葺きのたてものに、映写機の音や人の声が満ちるような機会のために、何か少しでもできることを見つけられたらと思います。

自分で車の運転が出来るようになったら、金沢にもぴゅっと行きますので、その時はよろしくお願いいたします。

>おちさとし さん、

ありがとうございます。

焦らずやって行こうと思うのですが、年明けにはまた関東での現場があるので、何とか常駐できないかと企んでいます。
現場に出ても、まだまだ邪魔になるだけなんですけれど w

>上 陽子 さん、

ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。

本当に、生きていること、両手が自由になること、目が見えること、出来ることの多さに感謝しています。
たいした頭ではありませんけれども、ついている以上はちゃんと使って、考えていきたいと思っています。
手を通して、茅や茅葺き屋根が教えてくれる言葉からも、なるべく遠ざかることのないように、自分に出来ることを探して行きたいと思います。

いずれ金沢にも伺いますので、案内して頂けるのを楽しみにしています。

>ceico さん、

ありがとうございます。

僕もここ数年、身近な人の死に触れる機会が多かったので、死ななかったことの意味の大きさを考えさせられています。

また、自分の現場で怪我をしたのが、他の誰でもない自分自身であったことの幸運にも、思い返す度に感謝しています。

与えられた機会を無駄にしないように、生きて行かなければと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。


ぎゃらりぃ甚弥 青山:

全然知りませんでした・・。
神様からのあまりに重い贈り物のようで
関係ない私まで潰されそうな気持ちです。

なにも力にはなれないのが、辛いです。
長い人間の歴史の話でも後に足跡が残っていった人は
みんな神様からの重い贈り物をもらって、それを
ちゃんとリボンをといて箱をあけて、取り出し
ちゃんと使える人達だったのではと思う
ことがあります。

ゆっくりゆっくり。
そのうち向こうからもやって来る何かを。
私、なに書いてるんでしょうね・・。
すみません。

落ち着いたら、こちらにも来て下さいね。

kimiyo:

ショックで言葉もありません…。
私などが申し上げていいものかどうか迷いますが、ご家族のためにも、いつまでもその前向きな姿勢を保ってください。
どうか御大事に。

ぎゃらりぃ甚弥 青山 さん、kimiyo さん、ありがとうございます。

>ぎゃらりぃ甚弥 青山 さん、

こうして気遣いの言葉を贈って下さるだけで、充分力を与えて頂いています。

正直、自分でもまだ全てを受け止めてはいないと感じています。これからくじけたり苛立ったりすることもたくさんあるとは思っています。

山の頂の高さも知らないままに登りはじめているようなものですが、それでも前に進まなければどこへもいけませんから、仰るようにゆっくり足場を確かめながら進んで行こうと思います。

美山に帰って暮らすことを前提にリハビリしていますので、いずれまた伺わせて頂きたいです。

>kimiyo さん、

今回のことで、また周りの大切な人たちを傷付けてしまったことが、何より悲しいことでした。

こびりついた焦りや悔恨は消えるものでは無いでしょうが、支えてくれる家族のためにも、前を向いてゆとりを持って生きて行かなければと思っています。

ichide!:

ああ・・・
なんとも・・・
こんな状況だったですか。・・・
うちは少し追い風になりだした昨今、自分の事、関わる産地の事で精一杯、すっかり、このお話を、見落としてました。
その後半年、何事もなかったかのように
ブログで随時写真をご紹介なさってたので、
すっかり全快されたと、勝手におもってました。ほんと、無神経ですみません。

実は私が以前お会いした人で山口県の阿武隈の人で樵の人がいます。その人、車椅子です、樵の作業で脊髄損傷されても樵を続けておられて。現場は、足もとが悪い事がほとんどでしょ、けど、ぬかるんだ足元ももろともせず木工作業も。その情熱にお会いして心打たれました。↓
http://www.haginet.ne.jp/users/attakamura/
***

ふと、思い出しました。
塩澤さんには鎌倉の現場でお会いして、茅葺について熱く語られてた、すっかり茅葺に魅了されたのでした。屋根に上がって説明してくれた、その時の新鮮な感動を思い出すと、なんか、胸が詰まりそうです。

けど、その後、状況をあるがまま受け入れつつ、
そして半年すぎくらいですか、
変わらず茅葺の現場でご活躍されてる。
進む道を続ける事は、素晴らしい。

無茶は承知であえて信じたいです。
人間の治癒力、医学の進歩、
少しでも全快に近く良くなりますように。


ichide! さん、コメントありがとうございます。

色々とお気を遣わせてしまってすみません。
下肢麻痺と言っても僕の場合は腹筋が下まで効いていて体幹が保持できるので、日常生活に介護を必要としていません。いつまでも施設のお世話になっているのは、ひとえにバリアブルな美山での暮らしに戻ろうとしている、自分のわがままです。

しかし、自分で山に薪を伐りに上がるのはさすがに無理だろうから、薪ストーブは諦めざるを得ないかと悩んでいたので、ご紹介下さったお話しには励まされました。

もちろん、僕は樵としては素人ですから、おいそれと真似の出来ることではありませんが、可能性を示して頂けるだけでずいぶん勇気づけられますから。

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2009年11月19日 20:50に投稿されたエントリーのページです。

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