今回葺き替える部分の古茅と、軒を養生していたベニヤ板を取り除きました。
かつて瓦の庇がついていた軒の部分には、既に茅葺き用の下地が用意されていますが、残念ながらこれは後ほど一部やり直し。
古屋根を残したまま下地の面を正しく出すのは、職人でもなかなか難しいですから。致し方無し。
古屋根を剥ぐったところは、横竹もしっかりしていてそのまま行けそうですから、下地の縄をかけ直しておきます。
度々練習して来た、男結びの腕前の見せ所。
再利用するために分別しておいた古茅。カブ(根本)を揃えて傷んだところを切り落として、束ね直しておきます。
直接雨のかからない軒の裏とか、葺く茅の勾配を調整する「延べ茅」とか、使い道は色々あって重宝します。
きれいに整えた古茅は、足場の上に戻して積み上げ、シートで養生しておきます。
地面からの湿気が来ないし、人の手も届かない足場の上は茅の保管に具合が良いです。
もちろん、あまり足場の上に積み上げていると作業の邪魔になりますが、古茅は最初の軒付け工程であらかた使ってしまう予定なので大丈夫。
昨年は「茅葺き週間」を設けて集中して葺きましたが、平日だと参加できない人も多いので今年は隔週の週末開催に。
2週間空けるのでシート養生も念入りに。
ま、念入りにしたつもりでも、雨が降れば水は思わぬところから入り込んで来るものです。たかがシートをかけるのにも、経験と技術が必要。
せっかくなので経験しておいて下さい。