1ヶ月程空きましたが、船坂では今回もまだ軒付けが続いています。
ここは茅葺き屋根の善し悪しを左右する工程で、後からやり直すことも手直しもできません。「いい加減」にして先を急ぐことは出来ないのです。
「屋根屋と雀は軒で鳴く(泣く)」
チームワークのもと丁寧な作業を積み重ねて来て、良い軒になったのではないかと思います。
さて、下の写真、右の束は今年の早春に古民家族が刈って来たもの。左の束はどこかの茅葺きの天井裏にストックされていたけれども、トタンを被せたからもういらないや、というのを頂いて来たもの。
ちょっと煤けているのは、かまどで火を使っていた頃から保管されていた、ビンテージものだということです。
どちらも同じススキですが、まるで形が違うのは保存期間の長さではなく、生えていた環境と刈り取る時期によるものです。
早春に刈り取ると花穂が伸びきり、葉やハカマが枯れ落ちて、シュッとした束になります。もう一方はおそらくまだ葉に緑の残る晩秋に刈ったもの。くしゅくしゅとした束になります。
植物としては同じススキですが、茅としては別の材料として使い分けます。
さて、ボランティアで指導にあたってくれている茅葺き職人のために、古民家族の武庫川女子大のメンバーが、昼食を用意してくれるようになりました。
これで、もう「手弁当で手伝っているから」という言い訳はできなくなりましたね。ね?ヤマダさん?
女子大生の手造り弁当食べてしまったら、そらもう張り切らなあかんでしょ!