軒がついたので茅を並べて屋根を葺いて行きます。
オシギリで切ってつくった短い材料を間に挟んで、葺き並べる茅が屋根の下地に対して一定の角度を保つように調整します。
この屋根は勾配が緩いこともあり、短く切った茅の先の方を踏みつぶして、よりテーパーの効いた材料に加工して、葺いた時に角度を稼げるようにしておきます。
茅は適材適所に選り分けるだけではなく、時に必要に応じて加工することもあるのです。
長い茅を端から端まで薄く並べたら、その次は短い茅を同じように並べる・・・というのを繰り返し厚みを出します。何層にも重ねるレイヤーの材料を選ぶことで、勾配を調節しながら葺いて行きます。
滑りやすいヨシを混ぜて葺くときは、このようにあらかじめ滑り止めの板を吊っておきます。
一定の厚みに茅を並べたら竹で押さえて止める訳ですが、押さえの竹を下地に縫い止める様子をあらためて。
青い竹の垂木に縄をかけるために、写真で竹の上側の際から差し込まれた針から、「針受け」の役目の人が縄を抜きます。
今度は写真で竹のすぐ下側の際に出るように、針受けの人が声をかけ得て誘導してあげます。
良い位置に出て来たら、最初の縄を針にかけてから引いてもらえば垂木に縄をかけることが出来ます。
さらに男結びで止めるために2重がけにする方法はこちら
竹を縫い止めて仮固定したら、ずれ止めの板を外してから叩いて形を整えます。
叩いて伸ばした後で理想的なかたちに収まるように、板を当てているときから想定しながら並べておかなければなりません。
ひとつひとつの作業に意味があることを考えなければならないのは、もちろん葺き並べる時も同じですが、軒がきちんとつけてあれば、それを目安に葺いて行けるからずっと捗ります。
どんどん葺いて行きましょう。