現場は竣工して足場も解体されました。
始めにも述べましたが、この四阿は枯山水のお庭を眺めて瞑想する場所として建てられています。
そのお庭は、日本の禅庭を勉強されたイギリスの方が、禅の思想に基づいてデザインされたそうで、コピーではないと説明して下さいました。
イギリスの材料を用いて、イギリスの伝統的な工法で、イギリスの職人によって造られた枯山水。石も(苔の養生のために寒冷紗がかけてあります)全てイギリスで探した石を使っています。
庭を囲む築地塀は版築のようですが、これもイギリスにもある工法だそうです。
そして、瓦屋根と見えたものは天然スレート。棟は鉛、もちろんイギリス産。こちらでは茅葺き屋根の収まりにも鉛板は使います。
外国の文化を吸収して消化し、アレンジして出力するのは日本人の特技かと思い込んでいましたが、このお庭は日本でもイギリスでもある、という感じでとても楽しいです。
ところでロジャーさんの家からロンドンの現場までは、高速道路を使って片道2時間。
この渋滞の中を毎日通うのは苦行でした。
僕は免許証を携帯していませんから、助手席に座っているだけでしたけれども。
黄色いのは菜の花畑。バイオディーゼルの原料として栽培が奨励されているそうですが、その前に車の使用を控えたら?という思いが頭をよぎってしまいました。
もっともカントリーサイドのドライブは最高です。
ロンドンから1時間も走れば、緑に包まれた緩やかなワインディングを楽しめます。
道沿いには茅葺き民家があたりまえのようにあらわれますし。