投稿者「webmaster」のアーカイブ
0205 未だ茅干し
0203 ここからがなかなか
0202 庭木のせい?
今日は午後から冷たい北西風が吹き出しました。しばらく暖かな日が続いていたので堪えます。
せっかく風除けのネットを足場に張ってもらいましたが、屋根のすぐそばに植えられた木の枝を避けるために、大きな窓が開いているので相変わらず寒い現場です。
なんだか愚痴ばかり書き込んでいますが、茅葺き屋根を長持ちさせるためには、庭木に対しては神経質すぎるくらいでちょうど良いと思います。木の陰になる場所が傷みやすいのはもちろんですが、北側の枝から落ちる雨垂れも屋根にとっては致命的です。もちろん、枝が屋根に触れてしまうのは問題外。近くに枝を張った木があるだけでも、蒸散作用によって屋根を傷めることがあります。
とは言っても実際の仕事場では、屋根のためにせっかく枝振りの良い庭木を剪定してくれとは言えませんし、茶室などの場合は先に庭ありきですから、苦労させられます。美山町ではどの家も正面にアカマツを一本植えるのですが、「松の梢が棟を越すと縁起が悪い」と言われています。屋根に影を落とさないように、こまめに剪定しなさいという戒めでしょうか。
sh@
0131 ススキ葺き工程
屋根の中程より上はススキを使って葺いています。もちろん、カヤカル2,3,で収穫したススキも使っています。
ススキはヨシよりも寝かせた角度で屋根に並べます。さらに穂先の方に葉っぱが多く滑りにくいので、滑り止めの板は必要ありません。ただし、穂先の方が大きいと屋根の表面となる根元の方がすかすかになってしまうので、半分に切った短いススキを混ぜたりして角度を調整します。
ヨシの場合と同じように両角を基準に真ん中を並べたら、押さえの竹を縫い止めていきます。
ヨシのようには滑らないので必ずしも必要ありませんが、作業が楽になるので足場丸太で仮押さえしています。
押さえの竹は数人が並んだ上で、呼吸を合わせて足で踏み締めます。
押さえ竹は引っ張ると締まり、離しても緩むことのない、トックリ結びというくくり方で針金を使って止めています。ヨシの場合も同じです。
かつてはワラ縄を用いていましたが、押さえ竹の緊結素材として、針金の方が長所が多く短所が少ないため、今回は針金を採用しています。
屋根勾配に合わせて叩き揃えて、足場丸太を吊ったら一工程が完了。また最初から繰り返します。
sh@
カヤマル(2)の様子が
本日(1月30日)付けの朝日新聞社会面に掲載されました。
当日は、暖かい晴天が位置にち続き、参加者も職人さんも身体の動きが今までの中で一番良かったような気がします。一日で、茅を並べたり、タタキで叩き揃えたり、屋根裏で針受けを見学したりと、盛りだくさんでした。参加者の皆さんも充実した体験会に満足されていました。昼食は、いつもお世話になっている「あいな茶屋」による「シカ肉じゃが丼」と「野菜たっぷり粕汁」。毎回、美味しいお昼ご飯をありがとうございます。昼食時にカヤマル06のプログラムに連続参加されている方とお話していたところ、「今日の作業で、カヤ刈りの際の作業や手間の意味がよくわかりました。」という言葉が。うれしい限りです。
0130 そろそろ葺き上げも終盤
0129 カヤマル2
0127 (元)茅場に咲く野花
阿蘇から来た茅束に混じっていた、ツリガネニンジン、シラヤマギク、アキカラマツ、アザミ etc.
バイトのニシワキ君が名前を教えてくれたので、「雑草」から「野花」に格上げすることができました。
名前がわかるのってうれしいですね。
何れも草原性植生に依存する植物で、日本から「原っぱ」が無くなっていくにつれて、次第に数を減らしているそうです。さすがに阿蘇は数百年単位で草刈り、放牧、野焼きによって手入れされてきた草原だけあって、これらの野花もまだ豊富なようです。
あいな里山公園でも、須磨ニュータウンの「原っぱ」でも、茅刈りを続けてさえいれば、いつか咲いてくれるはず。きっと。
0125 カヤカル収穫使い初め
茅葺き交流館では、ヨシ葺きとススキ葺きのハイブリット工法を採用しています。
雨水の流れる量が多く傷みやすい軒周りには、耐久性のあるヨシを使って葺いてきましたが、そろそろススキに移行するので、カヤカル1で収穫して乾燥させてきた淀川のヨシにも手を付けました。
カル2、カル3で収穫したススキも、良い具合に乾きつつありますから、随時屋根に葺いていく予定です。
今日は足場の北、西面に風除けのネットを張って頂きました。冷たい季節風を凌げるようになれば、労働環境は大幅に改善されそうです。
sh@