投稿者「webmaster」のアーカイブ

0124 ヨシ葺き工程

P1010580.jpg
ヨシはススキよりも立てた角度で並べるうえに、葉っぱなど少なく滑りやすいので、ズレ止めの板を立ててから並べ始めます。
長いもの、短いもの、先細りのもの、穂先の大きなもの、屋根の勾配や材料の残りを勘案しながら、上手く納まるように何層かに分けて並べます。

0124ヨシ工程2.jpg
両隅を参考にしつつ、必要な量の茅を並べたら、足場にする丸太で仮押さえして板を外します。

0124ヨシ工程3.jpg
両隅に合わせて屋根の角度が出るように叩き揃えます。

0124ヨシ工程4.jpg
茅押さえの竹を屋根裏に待機する人に手伝ってもらって(針受けという作業です)、下地のレン(垂木)に縫い付けます。

0124ヨシ工程5.jpg
茅押さえの竹を、足で踏み固めて固定してから、もう一度叩き揃えて仕上げます。

0124.jpg
以上を繰り返して、ここまで葺き上がってきました。
sh@

チョンマゲーズ

カヤカル(3)も無事終わり、「カヤマル06」中、材料調達の屋外体験作業を締めくくった風景がこれ。
ニウと呼ぶ地方もあるそうです。刈り取った茅束をこうして円錐状に立てて、保管兼乾燥させるわけです。束の中に雨などがしみ込まないように、穂先の方をしっかりと結んでいるので、先端がチョンマゲのようにも見えます。これだけたくさんあると、動き出しそうな気配もしますね。茅葺交流館の工事現場の側には、今、この"ニウ"がたくさん立っています。皆さんも、ぜひ見に来て下さい。
高台にある現場から、今日はひときわキレイな夕陽が見えました。ご参加の皆さん、スタッフの皆さん、お疲れ様でした。

DSCN5576.JPG

0122 カヤカル3

カヤマル'06における茅刈りの最後に、あいな里山公園の中でも茅刈りを行いました。
茅刈りによって生まれる草原は、里山の生態系にとっても不可欠の要素です。里山公園に建てられる茅葺き民家が、民家の剥製の展示となってしまわず、文化としての茅葺きの継承、発展の場となるように、公園内にも良い茅場を育てていきましょう。

0122karu3.jpg

皆さん、おつかれさまでした。
いつか、刈りとった後には茅場に火入れができるようになると、尚良いですね。
sh@

あの茅束は今

カヤマル(1)で参加者の皆さんと天日干しにした、あの膨大な阿蘇の茅束は、今、こうなっています。もちろん、これはほんの一部です。

DSCN5483.JPG

明日は、カヤカル(3)。「カヤマル'06」中、最後の茅刈りです。現地は、雪が降りそうで、冷え込んでます。

0120 吹きさらし

0120寒い素屋根.jpg

交流民家は北西方向に開けた高台の端に建てられています。夕日はきれいですが、吹きさらしの足場の上での作業では、冷たい西風が身にしみます。

寒さもこたえますが、これだけ北西風が強いと台風のときなど少々心配です。伝統的な農村風景に安らぎを覚えるのは、そこに暮らした人々の、長い歴史をかけた試行錯誤の結果として、合理性の追求された空間構成から得られる安心感にもよるのではないでしょうか。

この公園の敷地図を描いた方には、ぜひ季節風の強い冬の日にこの足場に上ってもらい、今後の植栽計画などに活かしてもらいたいものです。
sh@

0116 茅干し

カヤマル参加者の皆さんに手伝って頂いた茅干し作業、いつ終わるとも知れず続いています。
・0116茅干し.jpg

当たり前のことですが、いくら茅葺き屋根に通気性があると言っても、湿った茅で葺いては屋根は中から腐ってしまいます。ですからきついことを言えば、充分に乾燥していなければ、ただの「濡れたススキの束」であって、茅とは呼べません。参加者の皆さんも「なぜ屋根葺きに来て、茅拵えを手伝わされるのか」納得しかねることもあったことと思います。
しかしながら、自然の産物である茅は工業製品のようには生産管理できません。雪が積もるとススキは潰され折れてしまって、茅として使えなくなってしまいます。
今年は初雪が重く、降る時期も早かったため、阿蘇でも雪に追われて刈り倒しておいた茅を、雪の下から掘り出して束ねたそうです。本来なら商品として受け取れるような品質ではないのですが、良質な茅を毎年産出して頂いている茅場だけに、天候不順が原因なら可能な範囲でこちらも協力させてもらうことにした次第です。
カヤマル参加者の皆さんには、十分な説明も出来ずお付き合いさせてしまって、申し訳ありませんでした。
sh@

0115 カヤマル1

0115maru1.jpg

カヤマル1回目、無事終了いたしました。
茅葺屋としても使い慣れない安全索等を用いた安全管理になりましたが、現場管理の池田建設さん、公園事務所の面々の協力により、つつがなく終えることができました。

参加者の皆さんも、下地くくりや茅こしらえといった地味な工程であったにもかかわらず、積極的に興味を持って取り組んで頂いて、職人としても感心させられることが多くありました。

この後、まだ2回。少しずつ葺き上がっていく工程を、通して取り組んで頂けるように願っています。今後も事故のないように安全第一でいきましょう。
sh@

0114 下地つくりー小棟ー

茅材が屋根裏にはみ出してこないようにレンの上に横竹を括りつけていきます。
0114下地作り.jpg

ハフ(煙出)を据えるときには、ヨコダケが足場として機能します。
0114小棟据え.jpg

ハフの位置がまずいと、棟の納まりがおかしくなったり、茅の葺き納めに苦労したりする事になります。茅葺き屋根の下地には、曲がった丸太も当たり前に使われていて、組み方やハフのサイズも地域によって様々ですから、下地と擦り合せながら
、現場合わせで慎重に位置を決めていきます。

0114全体.jpg
軒が回って、小棟を据えて、ほっと一息。
sh@

始まってますね

カヤマル(1)を明日に控え、比較的暖かい雨の一日となりましたが、すっぽりと屋根に覆われている現場は、淡々と作業が進んでいました。 下地に組まれた竹。どこかで見覚えが・・・? カヤマル06に先立ち、あいなで活動されているプレゼントガーデンの皆さんと一緒に伐り出した竹も、ここに使われてますよ。 きれいに縄で止められて、くみ上げられた様子を見ていると・・・、明日やることないジャン! ご心配なく。現場は色々仕事があるそうですから。

060114_r.jpg