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0113 茅材搬入 ーススキー

九州の阿蘇山から茅(ススキ)が10tの大型トラックでやってきました。
いずれは里山公園とその周辺の茅刈りで、必要な量の茅をまかなえるようになりたいのですが、とりあえず今回は各地の「茅場」から買い集めて、カヤカルによる成果の不足分を確保しました。

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何しろ阿蘇のほかに、吉備高原、北上川、宇治川から10tトラックが4台も集まってくるのですから。今回は新築ということもあり本当にたくさんの茅が必要になります。そして、茅葺き屋根が想像以上に重いということもわかってもらえるのではないでしょうか。単純計算だと40t。
sh@

0112 軒付け工程

茅材は屋根下地に対して角度をつけて並べなければ、屋根の形になりません。そのために軒裏となる部分で、下地のほぼ45°勾配から一気に水平近くまで角度を上げてしまいます。
この軒付けで屋根の大きさや形が決まってしまう、最初の大きな山場となります。

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下地の一番下に据えられている木材が「カヤオイ」。断面が台形で角度をつける最初のステップとなります。要は下地の横竹よりも太ければ良いので、細めの丸太等も使われてきましたが、カヤオイの太さが一定でなければ、仕上がった時の軒の厚みがそろわないため、製材した角材を用いています。

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柔らかな茅材が屋根裏にはみ出してこないように、下地に一握り厚さのヨシをワラ縄でかきつけて行きます。
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その上に稲藁を一定の厚さで固定します。短くてテーパーのきついワラで角度を稼ぎます。ワラは水に濡れるとすぐに傷んでしまいますが、軒裏には雨水が回る事は無いので問題ありません。

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ワラの上に半分に切ったススキの穂先等の短い材料を並べて、さらに角度を稼ぎます。
必要な軒の厚みが出た段階で、茅材を並べるのに最適な角度に収まっているように調整して、最後に長く丈夫なススキを並べて茅押さえの竹で縫い止めます。
sh@

0110 古色が塗られる

「屋根屋さん、この肥やしみたいな臭いは何なんですか?」
「さあ、屋根の材料ではないですよ。古色に柿渋を塗らはったんと違いますか」
「えっ、あれってこんな臭いするんですか?」
「柿渋はウ○コの臭いしますからねえ」
ウン○の臭いは時間が経てば消えるけれど、古色を塗ることは竣工時に完成型を求めるわけだから、『つくり続ける公園』のコンセプトからぶれてしまわないか心配になります。
個人的な考えとしては、これから時間をかけて使い込んで、いい色出していけば良いのにな、と思います。
sh@

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レン(茅葺き屋根の垂木)。手前から1本目と3本目が、柿渋系塗料による『古色』着色がなされた新補材。
2本目はエイジングによる本来の『古色』が出た古材。

カヤカル(2)の様子が神戸新聞に掲載されました

8日、カヤカル(2)が須磨ニュータウン落合団地の法面で行われました。スタッフも含め、参加いただいた方の数は総勢約70名。皆さんどうもお疲れ様でした。最後が締まりなく終わってしまい、申し訳ありませんでした。この場所を茅場として維持していくことにも配慮するあまり、進行を誤ってしまいました。寒い中を残って作業を手伝っていただいた方、ほんとにありがとうございました。この場を借りてお詫びします。
車で来ることが出来ず、ご不便をおかけしたこの場所での茅刈りは、実は14年の歳月が経過しています。「カヤテックコミュニティ」として神戸芸術工科大学齊木研究室で1993年に取り組みが始まり、これだけの期間毎冬刈り続けて来た結果が、あのススキの斜面だったわけです。
この日は、あいな茶屋さんによる昼食もふるまわれました。ボリュームも味も満点のおでんでしたね。おかげで冬の戸外で、暖かい昼食をとることが出来ました。ありがとうございました。
ススキは刈り取られて茅となっていったわけですが、実はどんな茅束ができていくか、ちょっと心配でした。ですがかなり質の高いものが出来ていたようです。皆さんの呑み込みの良さに驚きつつ、団地と幹線道路に囲まれた街中で、鎌を手にススキを刈るという、ミスマッチな状況を少しは楽しんでいただけたならうれしい限りです。
さて、当日の様子が神戸新聞(神戸地域版)掲載されました。記者の石沢さんも、茅刈りを体験していただけたでしょうか?
カヤカルは、22日のあいな里山公園が最後です。そしていよいよカヤマル(屋根葺き工事体験)が、15日からスタートします。皆さんと共に、ヨシやススキを茅にして来ましたが、今度は屋根に葺かれていきます。お楽しみに。

国営公園事務所では、毎週火曜、ゴモク(茅刈り等の刈り屑)配布と現場見学を受け付けています。関心のある方はぜひ。

0109 始まりの日

いよいよ今日から、あいな茅葺き交流館の茅葺き工事が本格的に始まりました。
工事の進捗状況はここで可能な限り毎日ご報告していくつもりです。
茅葺き屋根の葺かれていく様子をとくとご覧あれ。

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まずは茅葺き屋根の下地つくり。
レン(垂木)とヤナカ(母屋)は全てワラ縄を「ハコ結び」にして緊結していきます。
5寸釘でも止められていますが、クギというものは大きな力を受けると意外と簡単に抜けてしまうものです。しなやかに変形して地震や風圧力を受け流すには、やはり縄で結束しておくことが肝要になります。
sh@

0108 カヤカル2

須磨ニュータウンでの恒例の茅刈り、今回は里山公園の茅葺き交流民家建設をめぐる、茅葺き現場体験会の一環として行われましたが、天候にも恵まれ参加者と関係者の皆さんのおかげで、無事終了いたしました。
ありがとうございました。予想以上に良い茅が集まりうれしい驚きでした。

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sh@

これが”カヤマル”の現場だ!

カヤマル06も、昨年12月からスタートしましたが、いよいよ今月15日の”カヤマルvol.1”から、屋根の上の作業を体験します。その現場がこれ。この垂木の上に、里山公園の中で伐り出したものも含めて、まず竹の下地を組んでいきます。そして、12月に行った”カヤカルvol.1@淀川河川敷”のヨシ、今日の”カヤカルvol.2@須磨NT”と22日の”vol.3@あいな”のススキを葺き上げていくのを想像すると・・・。ワクワクしませんか?

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茅くずの配布について

○かやくず無料配布のお知らせ

交流民家の茅屋根葺き作業に伴い発生するゴモク(かやくず)を、ご希望の方に無料でお引き取りいただけます。

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・農業資材等としての活用例
・ 堆肥原料(山積みにして濡らしてから1年ほど寝かせます。シートを被せるのも良)
・ 土壌改良材(土に鋤き込むと通気性を高める他バクテリアの繁殖を助けます)
・ 天然マルチシート!オススメ(有機栽培露地での雑草抑制、成りものの床。収穫後はそのまま鋤き込めます)
・ 建築材料(壁すさ、ストローベール材料等)
・ 他

条件:毎週火曜に直接公園事務所まで取りにこられる方。
日時:1月 日〜 毎火曜日 13:00〜先着順
申込:あいな里山公園現地事務所
TEL/078-593-3934 FAX/078-593-3944
E-mail/kobe@kokueiakashi.go.jp

051223 雪の日

この冬は数年振りに雪の多い年になりました。
軽トラで美山の自宅へ戻ったら、駐車スペースがこのとおり。
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5時前に帰って軽トラを停めるスペースをつくったら7時。さらに乗用車を掘り出したら9時。
汗をかいてお腹をすかせてようやく家に入ったら、水道が凍っていて風呂にも入れず暖かい食事も出来ず・・・

豪雪地帯という程ではありませんけれども、ここに家を建てようと思えば雪への対応も考えない訳には行きません。
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