棟の際から刈りはじめた刈込み仕上げも、吊り足場の丸太をはずしながら順番に下って来て軒裏を刈り落とし、軒の表を刈り揃えたらついに竣工です。
2年越しの仕事がようやく終わりました。
断熱性に富みながら通気性も持つというストロウベイルハウスの魅力を引き出すには、同様の性能を発揮する茅葺きで屋根を葺くに限ると常々思っていました。
今回それが実現はしたものの、この建物の設計は茅葺き民家らしく広々とした開口部を持ち、壁の断熱効果を活かすオーソドックスなストロウベイルハウスとは随分印象が異なります。
さて、屋根を葺いている間は大量の茅くずが、刈込みに入ってからは大量の「すさ」が茅屋根葺きの中では日々「生産」されていきます。
もちろんこれらのゴモクは建築廃材などではなく、堆肥原料としても天然マルチとしても素晴らしい農業資材です。
今回は手伝いチームを率いてくれた、百姓イマイさんの畑でじっくり熟成堆肥に育ててもらえることになりました。
茅葺きの建物は竣工が完成ではありません。身近な草を屋根に使い、使い終われば土に還る、循環の環が繋がって成長し続けて行きます。
近い将来は里山公園の中でも、来園者とともにその環が繋がって行くようになることでしょう。