お盆が過ぎてもあいかわらず暑いです。
夏を乗り切るためのスタミナとビタミンを毎日美味しく提供してくれているのは、藍那の交流民家の現場にアルバイトできてくれていたナカモリ君。
鎌倉から帰って来て再会したら、すっかり「茅葺き職人見習い」の顔になっていましたが、同時に披露してくれた想定外の才能に日々お世話になっています。
かやぶき音楽堂の修理は「差し茅」 です。
屋根が大きいとなかなか進行しているように見えないので気が急きます。
加えて連日のこの暑さ。
丹波高原とはいえ日中の暑さは変わりません。ましてや、屋根に上がるのは過酷な季節。皆さすがにバテ気味。
夏が暑くなかったら困りますけれども、やっぱり川で鮎漁師が良いなあ・・・
「破風」もでっかい。
この三角の風破板の下の葺き納めを担当しましたが、通常半日くらいで終わる工程に丸2日かかってしまいました。
破風が大きい分だけ葺く面積は小さくなっているので、労力としてはむしろ節約されているはずですが、工程をこなすのに時間がかかると捗っていないような気になります。
南山城村にあるヤマダさんの茅倉庫まで、材料を取りに行って来ました。
木津川の渓谷沿いの国道から、つづら折れの細い山道を辿って上った開けた高原の山中に、秘密基地のような茅倉庫があります。
茅葺きの材料はとにかくかさばるので、茅葺き職人としてはその保管場所の確保に悩まされます。かつては材料はお施主さんが用意されるものでしたので・・・
美山では川底の石は黒くて尖っているのですが、このあたりは地質が随分と異なるようで、谷川の底には真っ白な花崗岩の砂利が敷き詰められていて、高原の明るい空気と良く似合っていました。
そんな谷川の水を引き込んで棚田がつくられていますが、水取口には用水を蛇行させ、太陽熱で暖めてから田んぼに引き入れる仕掛けがしてありました。
小学校の社会科で習ったなあ、これ。
実際、谷川の水は冷たく澄んでいて、茅の積み込みでホコリと汗にまみれた顔を洗うには最高でした。
高原の景色に見とれていた訳でもないと思いますが、帰りの山道でタイヤをガードレールに接触させて、バーストさせてしまいました。
幸いダブルタイヤの後輪だったので、谷底に茅もろとも転落という事も無く、巨大なタイヤの交換も駆けつけたJAFが3分で済ませてくれて事なきを得ましたが。
安全運転。