茅材は屋根下地に対して角度をつけて並べなければ、屋根の形になりません。そのために軒裏となる部分で、下地のほぼ45°勾配から一気に水平近くまで角度を上げてしまいます。
この軒付けで屋根の大きさや形が決まってしまう、最初の大きな山場となります。
下地の一番下に据えられている木材が「カヤオイ」。断面が台形で角度をつける最初のステップとなります。要は下地の横竹よりも太ければ良いので、細めの丸太等も使われてきましたが、カヤオイの太さが一定でなければ、仕上がった時の軒の厚みがそろわないため、製材した角材を用いています。
柔らかな茅材が屋根裏にはみ出してこないように、下地に一握り厚さのヨシをワラ縄でかきつけて行きます。
その上に稲藁を一定の厚さで固定します。短くてテーパーのきついワラで角度を稼ぎます。ワラは水に濡れるとすぐに傷んでしまいますが、軒裏には雨水が回る事は無いので問題ありません。
ワラの上に半分に切ったススキの穂先等の短い材料を並べて、さらに角度を稼ぎます。
必要な軒の厚みが出た段階で、茅材を並べるのに最適な角度に収まっているように調整して、最後に長く丈夫なススキを並べて茅押さえの竹で縫い止めます。
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