今回は覚園寺ほどの巨大な軒を付ける訳ではありませんが、関東風の覗いた(水平にせり出した)軒を付けるために、やはり力竹で軒を補強します。
表側の軒が付いたので、小間(妻側)、裏側と軒付けのために古い屋根を解体して行きます。
こうして見ると土手にしか見えませんが、裏面の大間(広側)の屋根です。
とりあえず、表面の土壌化した層を欠き落として屋根を乾かします。
ところで茅葺きの手入れのために屋根に生えた苔を落とすべきかどうかは難しいところです。
屋根は乾いていた方が良いのは当然なのですが、屋根の表面は少しずつ分解されて減って行くので、あまり頻繁に苔を落とすとその速度を速めてしまいかねません。
また、傷みが進んだ屋根では、苔をどけるとここの屋根のように穴が開いていて、止めを刺してしまうことにもなります。
春に屋根に積もった雪が落ちる時に、一緒に落としてくれるくらいで丁度良いかもしれません。
そして、表側程ではありませんでしたが、やはりこちらにも立派なカブトムシの幼虫が。
それにしても、大きい!
小学生の頃に飼っていましたけれど、こんなに大きかったかなあ。
建物を博物館として活用している関係でエアコンで全館暖房していますが、昔の家なので断熱材の入っていない天井から熱が逃げて、屋根裏は相当暑いようですが、それと関係あるのでしょうか。温室栽培。
ひょっとしたら、全館冷暖房は屋根の傷みとも何らかの関係があるかもしれませんね。
茅葺きの良さを活かしながら、現代的な生活にも適合させるための工夫を重ねて行かなければと思います。
武相荘の敷地内には本当にきれいな雑木林が残されています。
5,6年前に訪ねた時には、周りにもまだ他に雑木林や田んぼが見られたはずでしたが、今回来てみるとここだけが孤島のように残されていました。
武相荘に町田中のカブトムシが集まって来てしまったのでしょうか。