この冬はじめて、うっすらとですが霜が降りました。
足場丸太が凍って地下足袋が辛くなる、いつもの冬がうそのようです。
棟まで葺き上げた屋根の、表裏の高さを揃えて棟を積むための基礎を揃えます。
表裏の押さえ竹の高さは、両方の竹を足で踏んでみて、人間の平衡感覚をたよりに確認します。
茅を抜いたり差したりしながら、屋根の表面から押さえ竹までの深さも勘案しながら調節します。
棟と平行に(つまり今まで葺いて来た茅と直行する向きに)茅を棟のかたちに積み上げます。
最後の押さえ竹から針金をとってカマボコ型に締め上げて、棟のかたちをを整えます。
関西のように三角に高く積み上げず関東風の丸く低い棟ですが、それでも一度に積み上げるのではなく何回かに分けて全体が均等にしまるようにします。
棟の基礎が水平でなかったり、棟そのものが上手く積まれていなければ、時間とともに棟が歪んだり傾いたりしてしまうことになります。
棟の端から茅がこぼれるのを防ぎ意匠としても目につく「マキワラ」を、水海道の坂野家に続いて丁稚サガラが制作しました。
数をこなして関東風のマキワラつくりでは、関西の職人では一番の腕前になったかもしれません w
棟の中身となる「荒棟」が積み上がりました。
この上に風雨から棟、さらには屋根全体を守るための杉皮と瓦を被せて養生し、仕上げます。