突然ですが、少し香港に行って来ました。
'05年の4月と10月に当地に新しく整備された日本(風)庭園で四阿の屋根を葺きました。
その様子を見に行くついでに、まあ、旅行です。
屋根屋仲間で、たまには、と。
10月に行った段階で実は既に4月に葺いた屋根は随分傷んでいました。
これはその時の写真です。
雨期のあいだ屋根はほとんど乾く間が無いような有様で、高温多湿な環境では茅を引き抜いてみると、雨水が染み込んでいない屋根の奥まで蒸れてカビが生えていました。
今回訪ねてみたところ、さいわい心配していたほど傷んだ様子は見られませんでした。
南国の茅葺きというと、茅の葉を屋根の外に出してバサバサとした「逆葺き」を思い浮かべます。
香港は他の多くの都市国家と同様に木造建築が禁止されて来ていたので、地元の茅葺きを既に見る事は出来ないのですが、周辺の中国で見られるのはやはりそのような南国風の茅葺きだそうです。
一般に「逆葺き」は日本で多く見られる「真葺き」より耐久性に劣るとされています。
ただ葺く手間は真葺きほどかからないので、簡単に葺いて頻繁に葺き替えるか、手間をかけて長持ちさせるか、かかるコストは同じようなものです。
手間をかけても茅葺きが長持ちしない環境ならば、逆葺きが選ばれるのは賢明で自然なことでしょう。
この現場では材料のヨシや竹も全て日本から持ち込んでいました。僕はあくまでも手伝いに呼ばれた立場でしたが、いつか地元の材料と技術を用いて日本風の屋根になるような葺き方も、試してみたいものだと思っています。
四阿は九龍サイドの志蓮浄苑という仏教寺院が管理し、一般に無料で公開している庭園にあります。
香港に行かれた際には時間があれば訪ねてみて下さい。
香港まで行ってわざわざ日本庭園を訪ねるのもどうかとは思いますが・・・園内の中華精進料理レストランはなかなかだと思います
以下、茅葺きとは無関係ですが。
香港に着いたら、何はともあれまず、マンゴー。
「糖朝」は確かに美味しいけれどいつも混み合っているので、庶民的な「許留山」が落ち着きます。
古い香港はどんどん取り壊されて新しくなりつつあります。
仕事をさせてもらったお寺も、啓徳に空港があった頃にはスラムが広がっていたのを、再開発して建てられています。
上のような町工場や住宅や老人ホームが積み重なった「香港らしい」ビルは次第に少なくなって来て、ガラス張りのビルが増えて来ています。
ガラスが金色だったりするのが「香港らしい」とも言えるかもしれませんが。
香港名物の高層マンションのデザインも洒落たものが増えて来ていました。
穴があいたりしているのが「香港らしい」とも言えるかもしれませんが。
でも、相変わらず足場は竹で組まれています。
茅葺きの現場でも地元の足場屋さんが竹で組んでくれました。ちょっと恐いこともありましたが・・・
香港と言えば「茶餐廳」
何それ?と言う方は「レビュー」でもお薦めした香港無印美食をご参照願います。
煮出した(ような)ミルクティーと「サイトー」で一服。
'05年に仕事をしていた時には、毎晩新メニューを開拓するのが楽しみでした。
何を頼んでも美味しかったので。
明るくのんびりとした光や空気は、熱帯ではなく「亜熱帯」加減が良い感じです。
もちろん、海鮮料理も美味しいですし。
しかし、残念ながらこいつは試せませんでした。
食うのかコレ?食うのか、そうか。
日本では天然記念物サマだけれどね。
お店で売られているものはたいがい平気で食べますけれど、有明海沿岸の魚屋さんで、ポリ袋に詰められたイソギンチャクを見て以来の驚きでした。
三度の食事が美味しいのに、合間に甜品(スウィーツ)もこなさなければならないので忙しい。
マンゴープリンの他にも牛乳プリンや杏仁豆腐等々。
喫茶店のフルーツポンチみたいなものでも、缶詰ではないフレッシュフルーツで作るのでとても美味しいです。
今回初めての人も大勢いたし、定番の観光露天商を押さえておくのも悪くはないのですが・・・
やはり市場は地元向けが楽しいです。
果物は検疫があって持ち帰れないし、せっせと食べなければ。
と、いう訳で屋根の様子見にかこつけて、食べてばかりの香港行。
最後まで読んで下さった方はありがとうございます。お疲れさまでした。
香港はお正月を目前にして、街中に飾りつけがされていました。
来年は猪(ブタ)年です。
それにしても、お正月を西暦(キリスト教歴)で祝う日本は、つくづく不思議な国だと思う。
別に善し悪しでは無く。