S邸の軒裏を仕上げたところで、慌ただしく次の現場の応援にやってきました。
美山の大野地区にあるM窯。ここも美山茅葺き株式会社の現場です。
美山ではナカノさんや僕の、さらに次の世代が現場を担えるだけに育って来ていて、定期的な部分補修は手分けして、日常的なメンテナンスとしてこなせるようになってきています。
古屋根はすでに解体してあったので下地を直し、こちらは土間が吹き抜けで屋根裏が見えるので、化粧にオギを並べておきます。
オギは充分に長いので軒の編み付けと兼用しても良いのですが、ストロー状のオギやヨシを軒に使うと、その内部にハチが巣を作ることをお施主さんが嫌われたので、外に現れる部分には穴の無いススキを使うことにしました。
オギの断面に空いたこの穴に、マメコバチ(コツノツツハナバチ)が好んで巣を作ります。
果樹園ではリンゴやサクランボの受粉に活躍しています。栽培農家の方の話しでは、人を刺すことはないハチらしいですけれどね。
草桁に乗った、レン(垂木)とレンの間の隙間からは、家の中で火を使わなくなると、ネコやイタチといった動物が入り込んで来るようになってしまうので、ワラ束や板で塞がれることが多くなっているのですが、こちらでは屋根裏の換気を妨げないための配慮でしょうか、金網が使われていました。