美山町の鶴ヶ岡地区にある、きれいな谷川沿いの集落を一番奥へ入ったお宅へ、葺き替えにやって来ました。
予定では一週間以上前の着工のはずでしたが、今日まで雨に降り込められてほとんど進められずにいます。
雨の日が休日の屋根屋としては、朝目を覚まして寝床の中で聞く、たまの雨垂れの音には安らぎを覚えるのですが、さすがにこれほど仕事ができないでいると心身ともにおかしくなって来ます。
何よりフトコロが干上がってしまいます。生活して行けません。
台風が過ぎ去ってもまだ空はぐずついていますが、我々はこれ以上ぐずぐずしてはいられません。きれいな屋根でお盆を迎えて頂けるように、湿っぽい中足場を組んで古屋根を解体する機会をうかがいます。
北側の屋根一面に厚く重なった苔は、たっぷりと雨を含んで青々としています。まず、これを鍬でかき落としてしまいます。
屋根裏に保管してある茅を搬出して軒を付けるために必要な、最小限の部分をまず解体します。
しかし、屋根裏の茅をいくらも出さないうちにまたもや本降りの雨に。
僕等が濡れるのは一向に構わないのですが、お施主さんが刈り貯めた大切な茅を濡らす訳には行きません。捗らない進行にストレスを抱えつつ、本日もまた早仕舞いでした。