お施主さんのご夫婦による手入れの行き届いた現場の周辺には、たくさんの小さな生き物たちが暮らしています。
谷川の堤で仲良く昼寝中のシマヘビとアオダイショウ。
近づいても体を触られるまで起きない程のんびりした様子は、普段から人にいじめられることなど無いからでしょうか。
葺き上げが捗ったので、続きを葺くために早くも上半分の古屋根を解体しなければならなくなりました。
まず、棟を解体します。
棟飾りの「ウマノリ」は、昔はその重さで棟を押さえていただけあって、こうして近くに寄るとかなりの大きさ。栗の木で造られているので重さも相当です。
今は針金で引っ張りウマノリで棟を挟んで止めているので、ここまで大きな材を使う必要は無いのですけれども、棟は地域性をもっとも良く現す茅葺き屋根の顔ですから。お施主さんの気持ちとしても、「美山の屋根」にはやはりこれが無いと、ということですね。
急に現場の人数が減ったので、でっかいウマノリを下ろすのは大変でしたが。
古茅も下ろしてから下地の竹を結わえている縄をかけ直し、下地の補修が済みました。
あとは棟までひたすら葺いて行くのみです。