裏側が棟近くまで葺き上がったので、表側の古屋根の解体に取りかかります。
この屋根の表側は、アリゴシから下半分を何年か前にこぜあげて葺き替えてあります。
そこで今回は上半分だけを葺き替えます。
美山のやり方では屋根の傷み具合に合わせて屋根を上下に分割して葺くことができますが、上半分を葺き替える際には棟も積み直す事になるので、表裏両方を必ず同時に葺き替えます。
これを「棟を返す」と表現しています。
ひっくり返す訳ではありません。
下半分は葺き替え済みとはいえ、数年経ってその分減っていますから、それに合わせて新しい屋根を葺くと薄くなってしまいます。
それを避けるためにまず古い屋根を整えて、段を付けてから葺き始めるようにします。