友人の大工さんが運営されている美山里山暮らし塾の、茅刈りをお手伝いしてきました。
江戸時代に建てられた茅葺き民家の周りで、そこにお住まいの方が毎年ススキを刈り取って手入れされている、茅場の茅を刈らせてもらいました。
人が刈って、干して、ヤギが食べて・・・いや、食べてはだめですが、肥料にも飼料にも燃料にも建材にもなる、茅という素材のポテンシャルを垣間見せてくれたような気もするというと、こじつけ過ぎでしょうか?
参加者の皆さんは国際色豊かな顔ぶれだったので、僕も酷い英語なりに説明させて頂きましたが、お互いにコミュニケーションをとろうという意志があれば、それなりに伝わっていたようで。言葉は道具なのだとあらためて思いました。
お昼には茅葺き民家に上がらせてもらって、囲炉裏を囲んでカレーを頂きました。
おクドさんを使って、羽釜で焚いた美山の新米と取れ立て野菜のカレー。何とも贅沢でした。
刈った茅はこのように春まで立てておきます。「ニウ」とか「カヤツボ」と呼んでいます。
ススキに雪が積もって倒れてしまうと、折れたり曲がったりして茅としては刈り取れなくなってしまうので、美山では雪の季節を迎える前に、まだ青いススキを刈り取って風通し良く立てておくことで、雪が積もっても倒れず春までに乾燥させるようにします。
従って美山のような積雪地の茅は、同じススキでも年が明けて葉やハカマが枯れ落ちてから刈る、無雪地域の茅とは建材としては別物となります。同じススキを用いた茅葺き屋根でも、それぞれ異なる葺き方が発達していて、屋根のかたちもそれに合わせて微妙に異なってきます。