葺き並べた茅の穂先が棟を越すようになったら、片側の屋根だけを先に葺き上げてしまいます。
両方から並べたら押し合いになってしまいますので。
押さえ竹や縫い止めた針金に負担をかけないように、なるべく多くの人数で並んで掛け声をかけながら、息を合わせて押さえ竹を踏み固める様は、見ていると楽しいというか滑稽でもあります。
しかし、体重をかけて引っ張っている針金が万一切れた場合に備えてバランスをとりつつ、渾身の力で踏み固めるのはなかなかの重労働です。
何より、地下足袋で竹を踏みつける足の裏が痛い。でも、靴でやると力の加減が出来ず竹が割れたりして具合が悪いので。