月別アーカイブ: 2010年9月

0930 サマータイム終了

ブログではワークショップの様子ばかりご紹介していたので、「茅葺屋は仕事をしとんのか?」とお叱りを受けてしまいましたが、もちろんちゃんと現場は動いております。屋根葺かないと食べて行けませんからね。
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神戸市北区にある市登録文化財のH邸。6月末から始まった屋根修復は、梅雨時の大雨とその後の酷暑の季節を通じて進められて、終盤に差し掛かっております。

と、言っても厳しい気候のもと働いているのは、棟梁として現場を仕切るサガラであり、山城萱葺き屋根工事から応援に来て下さっている職人さんやテッタイさんたち、それにアルバイトの皆であって、僕はお施主さんに謝ったり市役所に謝ったり、職人さんに謝ったりしているだけですけれども。
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現場に常駐していないので、ご紹介するようなことが何もありませんでした。

特に梅雨明けからの異常な猛暑の中では、現場の皆は本当に頑張ってくれました。
こちらのお宅は普段はお住まいではなかったので、サマータイムを採用して朝5時から作業していたようですが、それでもきつかったことには変わりは無いでしょう。
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9月も末になってようやく通常時間に戻せるようになって来たと思ったら、今度は急に気温下がり過ぎ。
夏バテで弱った体には冷たい雨は厳し過ぎますが、最後まで健康第一、安全第一でよろしくお願いします。

0920 刈込み仕上げ

5月から延々と続いて来た、船坂集落の旧坂口家の屋根葺き替え、泣いても笑っても今日仕上げないと、いよいよ後がありません。
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みんなが寝ている間に、こびとさんが刈り落としてくれた軒裏ですが、あえて学生の仕事も残しておくという、心憎い配慮もされていました。

こびとさんが・・・というか、山城萱葺き屋根工事のヤマダさんなんですけれども、堅いヨシやススキで葺かれたところを刈り落として、柔らかく刈りやすい稲ワラの部分を残してくれています。
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さらに所々稲ワラの部分も仕上げてあるのを参考に、職人さんから借りた屋根鋏で軒刈りに挑戦。
言う程簡単ではありませんが・・・

半日かかって何とか軒裏が落ちました。
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最後の工程、軒の上端を刈り込んで仕上げます。

職人と並んでさくさくと・・・リズム良くとは行きませんが、重い屋根ハサミの扱いにも、少しは慣れて来ましたかね。
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仕上がった面から足場の解体も進めて行きます。
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安全に解体するために切断する順番はもちろん、危険な番線クズが散らからないように、クリッパーで切断する箇所にも気を遣いましょう。

家の中では大掃除が佳境を迎えています。
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屋根の葺き替えをすると大勢出入りしたり、屋根裏から茅を下ろしたり上げたり、どうしてもほこりっぽくなりますからね。
しかし、そこまで磨いて、前よりもきれいになったのでは?

押さえ竹を縫い止める際に屋根裏にはみ出したり垂れ下がったりした茅を、一本一本手鋏で取り除いて行きます。
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このひと手間を惜しまないことで、縁側に座って眺めたときの屋根の表情がずいぶん違います。

最後に職人が軒端のラインを揃えるハサミを入れて、全ての工程を締めくくります。
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足場を解体して掃除が済んだら、竣工です。
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古い屋根と新しい屋根の境のブルーシートは、しばらくこのままにしておかざるを得ませんが、とにかく雨漏りは無くなり、みんなが集える広い軒先が出来ました。

0905 こびと

その1:
茅葺きの下地は一番高い棟木から、一番下の草桁まで1本のレン(垂木)が通っています。
古民家族で再生に取り組んでいる旧坂口家では、後補の庇を解体したりしたこともあり、屋根全体を受け止めてバランスを取る大切な草桁が、建物の本屋から切り離されて独立柱だけで支えられていました。
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軒がついて屋根が重くなって行くに従い、不自然な揺れ方をするようになって危なくなっていましたが、ある日河原工房の大工さん、ユイさんがふらりとやってきて、梁で繋いで行ってくれました。

下屋の草桁が本屋の柱と梁で繋がり安定しました。
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これで安心して葺き進めることができるようになりました。

その2:
「今年最後の茅葺き3連日」と銘打ちながら、僕の段取り悪くて9月に作業が持ち越してしまった旧坂口家の屋根葺き。
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正直に言えば、9月あと1回の活動で本当終わるのかすら不安だったのですが、ある日山城萱葺屋根工事の茅葺き職人ヤマダさんがひょっこり訪ねて来て、軒を刈り落として行ってくれました。

愛車KTMアドベンチャーでのツーリング中に、偶然通りかかった山城萱葺き屋根工事の丁稚ワタナベ君も手伝ってくれました。
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これで残す作業内容は間違いなくラス1です!