屋根屋の仕事は雨の日が日曜日です。
鎌倉に来てからじめじめとした日は多かったものの、まとまった雨はあまり降らなかったので何となく濡れながらも仕事を続けてきましたが、今日は昼からしっかり降り出したので休みとなりました。
異邦人が勝手に鎌倉らしさを感じているもののひとつに、名前も知りませんけれどもこの石材があります。
切り通しや「やぐら」の掘られている谷戸の崖も、稲村ケ崎の海蝕崖ものっぺりとした砂岩の壁で、鎌倉には石というものが転がっていませんが、この石材もそんな砂岩の固いところを切り出してきたもののように見えます。実際のところはまだ存じませんが。
この石で低く積まれた石垣の上に生け垣、という組み合わせは、いかにも「鎌倉のお屋敷」らしく思えます。
見た感じ加工しやすそうで、他にも舗石やブロックの代わりに塀に積まれたりして、鎌倉の街のあちこちで使われています。
エイジングによる効果が出やすいのも、柔らかそうな砂岩ならではですね。
ところで、昨日も少し触れましたが、お施主さんが暮らしたり、宗教施設として現役で使われている建物の、屋根をめくらなければ仕事のできない屋根屋ですから、雨対策が信頼できなければ、今日のような雨降りに安心して休むこともままなりません。
現在はシートがあるからそれでも楽なのですけれども、それまでは屋根をめくった穴を塞ぐためには、茅を仮に薄く並べるくらいしかできなかったそうです。
タナカさんの若い頃の話として、自転車を持っていない自分だけがお施主さんの家に泊まり込み、親方や兄弟子は通いで仕事をしていたところ、屋根めくりをした日の夜に雨が降り出して来たため、ひとりで何とか雨養生をしなければならなくなったものの、大きな屋根に茅を仮に並べ終わる頃には夜が明けてしまったしまったそうです。
しかも、夜が明けると雨は降り止み、仕事に来た親方や兄弟子と共に、あたりまえのように徹夜で仕事をせざるを得なかったとか。
笑い話としてされますが、怖い話です。
sh@
これは大谷石ですね。
大谷石は柔かく切り出しやすく栃木原産で、歴史的に関東一円でよく使われてますよね。
鎌倉は東京の別邸の歴史があるので、こういうしつらえが割りとあるんでしょうね。
鎌倉は殆どが岩盤なので谷戸切り通しなど垂直にえぐって平場を作る事が各地であり、ちょっと他所では見れない山肌の味があると思います。またかなりの多湿だそうで、そういう事で草木生えやすいんでしょうね。
いや?鎌倉の石かな?
まあ、いいや。
塀を生垣と石造で分節化して狭さを広がりに変えてるのを見ます。鎌倉の空間の常套手法とおもいます。
ichide!さん、コメントありがとうございます。
大谷石みたいな感じなのですが、少し違うようにも思われてよくわかりません。
ただ、この石ばかり使われているところをみると、地場の素材なのかなという気もします。
鎌倉に限らないことですが、生け垣が多いと路地に緑が豊かで、歩いて楽しい街になりますね。