ハサミはあくまで仕上げにかけるもので、差す過程である程度は屋根の平面ができあがっているのが理想です。
差して上がる時にきちんと屋根のかたちが出来ていないと、足場用に吊ってある丸太を外してから、ハサミをかける前にでこぼこをならす調整が必要となり、余計な手間がかかってしまいます。
丁稚のワカモノ達が調整に苦労しているあいだに、反対側の小間にも足場を組んで差し茅を始めました。
今回のように屋根全体に差し茅をしてかたちを作り直す「総差し」では、軒を充分な厚みで丈夫につくっておく事が、長持ちさせるためにも肝心となります。
古くなった屋根では手前のように軒の厚みは半分程に減っています。ここに茅を差すことで軒をつくり直して行きます。
ところで、我々が毎日使わせてもらっている洗濯機で、この白いアマガエルがいつも休んでいます。
アマガエルは住む場所に合わせて体の色を変えているので、茅葺き屋根の上で暮らしている灰色の個体は良く目にしますが、ここまで白くなったのは始めて見ました。
間違って洗剤で洗ってしまった訳ではありません。
暑い中作業お疲れ様です。
1ヶ月以上の挿し葺き工事となると、かなりの大きさの屋根なんでしょう。
こちらも文化財の仕事が終わり、地元の小さな屋根の補修に回っています。
秋口からはまた文化財の復元工事が始まりしばらくは佐賀県のほうに行く予定です。
残暑がしばらく続くでしょうが、お体に気をつけてがんばってください。
そはか さん、おつかれさまです。
かやぶき音楽堂の差し茅は、8月1ヶ月かかって終わりました。もともとお寺の本堂だっただけあって、大きな屋根でした。
夏は屋根の上での仕事には、本当に厳しい季節ですね。ようやく日差しに秋の気配が感じられるようになりましたが、まだまだ日中は暑い日もあるでしょう。お互いに体が資本ですので、健康第一に過ごしましょう。