1221 棟の解体

歪んだ現状の棟は、屋根を葺いて行くにあたっての目標を過たすので、撤去してしまうことにしました。
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正しい下地の棟木とスミレンの位置を確認しておかないと、最後になってとんでもないことにもなりかねませんので。

今年になってから鎌倉や茨城で何回も見て来た、瓦で収めたタイプの関東の棟です。
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何故か最近この棟に縁があります。

でも、何となく感じが違うな、と思っていたら、瓦の下の養生に引かれたガルバリウム板を剥がすと、潰したヨシが積まれていました。
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おそらく琵琶湖産のヨシで、屋根全体に差し茅されていたヨシと同じものです。
つまり差し茅の際に棟も傷んでいたので、どうやら滋賀の職人さんによって、関東風に似せて積み直されていたようです。

正しい葺き止めの位置を確認して、あらためて安心して屋根葺きに専念できるようになりました。
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武相荘もそろそろ冬枯れの景色となりつつあります。
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それでもなお、毎日尽きることなく落ち葉が舞い落ちて来ます。

葺きかけの屋根にもすぐに積もってしまいます。
乾いているから良いようなものの、大量の濡れ落ち葉が張り付いたいりすれば、もちろん屋根の寿命に良いことはありません。
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まあ、でも、葺いて行くあいだに関しては、雪が積もるよりはずっとましですけれど。
美山なら例年この時期になると、雪かきしながらの屋根葺きを覚悟しなければならなくなりますので。
今年はまだ一度も屋根に霜も下りていないし、暖かいなあ。

6 thoughts on “1221 棟の解体

  1. ceico 投稿作成者

    ヨシを見てどこのものかわかるのですね。
    どういったところが違うのでしょうか?

    愛知県では霜が降りるようになりました。
    夜明け前後のピンクとブルーの空のしたで見る霜の降りた地面はまた秋と違った美しさがありますね。
    耳は痛いけど・・・。

  2. kokubo 投稿作成者

    はじめまして。

    24日の日、無理を言って、見させていただいたものです。
    教えていただいた茅葺屋さんという言葉から検索して、ちゃんと、
    このブログに出会えました。
    ありがとうございます。

    足場の上からみると屋根というよりも、大地にある小さな山みたいにみえる茅葺き屋根が、
    それだけでも、きれいなのに、
    たたいていくとさらにまた、整えられて、職人さんの手は不思議だなぁと思ってみていました。

    ありがとうございました。

    また、ブログをみて思ったのですが、
    一日みただけではわからないことが、
    たくさんあるのですね。
    全工程みたくなりました。

    カブトムシや幼木の話とか、
    土になってから、自然に変えるお話とか、
    まなざしがあたたかくて、ほっとしました。

    (勝手ながら、お断りする前に、私のつたないブログにアドレスのせてしまいました。
     のせてもよかったですか?)

    では。
    お体を大切に、よい仕事をされてください。

    美山、夏に行ってとてもよいところだったので、また行きたいと思っています。

  3. shiozawa 投稿作成者

    ceico さん、kokubo さん、コメントありがとうございます。

    >ceico さん、
    琵琶湖産のヨシは他のものと比べてとても太いのです。
    とても同じ種の植物とは思えない程太くて、まさか琵琶湖の富栄養化の果てにこんなになってしまったのかと思ったこともありましたが、そうではなくもともと太くなる遺伝子群なのだそうです。

    琵琶湖から流れ出す淀川水系のヨシは、京都の宇治あたりだと太いものが生えますが、河口の十三干潟のヨシは他と同じような細いものです。どの辺で分布が切り替わるのか調べてみたくなります。

    朝の早い造園屋さんにとっては、冷え込みの厳しくなるこの季節は大変かと思います。どうぞご自愛ください。

    >kokubo さん、
    茅葺きに興味を持って頂いて、拙ブログを見て頂きありがとうございます。

    応対したのはナガノだったかと思いますが、ブログにも黄色いベストとキャップで時々登場しているかと思います。

    アドレスの転載、トラックバックはご随意にどうぞ。
    美山にも是非またおいで下さい。
    冬は大変ですが・・・

  4. kokubo 投稿作成者

    ありがとうございます。黄色いベストで、キャップの!ナガノさんにもお礼を伝えてください。

    武相荘が育っていく様子楽しみにしております。12/24の日記読んで、茅葺きって、ものというより、生き物みたいだなぁと思いました。

    美山の方に、聞いたら、夏と冬が好きという方が多くて、今年は無理だけれども、雪の中も、行ってみたいとは思っていました。ホントきれいだという言葉に、力があったので。

    それでは。

  5. ceico 投稿作成者

    琵琶湖のヨシは遺伝子が違うのですか!
    おもしろいです。

    それでもヨシはヨシと分類されているのか気になります。

    屋久島なんかはスギ以外はどれも大きくならない種類が多くて、屋久島なんとかって名前がついています。
    琵琶湖ヨシというのがあるのか調べてみます。

  6. shiozawa 投稿作成者

    >kokubo、さん
    茅葺き屋根は本来、住む人の暮らしとともに姿を変えて行くものなのだと思います。

    雪の積もった朝に晴れると、確かに雪かきの苦労を忘れて見とれてしまいます。
    今年は暖冬でまだ雪はありませんので、来年以降でちょうど良いのではないでしょうか。

    >ceico さん、
    遺伝子云々というのは人から聞いた話しですが、「河口のヨシは海水に浸かるので細くなる」という説も、あるヨシ屋さんから聞いたことがあります。

    いずれにしても材料の茅となる植物について、我々職人もまだまだ不勉強なところがあります。
    植物に詳しい方々に茅葺きに興味を持って頂き、「茅」としての視点から、様々な草についてのお話を聞かせてもらえるように努めて行かなければと思っています。

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