個人的に茶室は「建築」ではなく「工芸品」だと認識しています。
構造的に屋根に人が上がる事も危ういほど華奢なので、冗談ではなく葺き替えの際にうっかり壊してしまわないように、細心の注意が必要です。
それにしてもこの下地は寂しすぎます。
軒先の広小舞も大きく下がってしまっています。
どうやら跳ね木が効かずに垂木が曲がってしまっているようです。
跳ね木を替えるとなると大工さんを呼んで大事になってしまうので、補強し枕木を追加することで軒を支えておきます。
下地の竹も虫の入ったものは交換し、さらに軒の負担を軽くするために垂木の本数を増やします。
相変わらず「工芸品」であることは変わりませんが、それでもはじめに比べればしっかりしたと思います。
茶室には天井が張ってあるのが普通なので、屋根裏に上がっての針取りができません。
葺き始めたら下地を目にする事はもうできないので、ひとまず見納めです。
子供の積み木のような(失礼!)下地から、美しい下地になりましたね。
どんなことでも、目にみえなくても基礎が大事なのですよね。
端折りたくなるところが大切。なんでも一緒ですねぇ。
ceico さん、コメントありがとうございます。
下地で手を抜けば、後で苦労するのは自分ですから。
真に仕事は「段取り八分」です。
仕事に限りませんけれどね。何事につけ一緒ですね。