屋根裏から搬出した茅は、美山の〆である「2間縄締め」で20〆にもなりましたが、葺き始めるとあっという間にぺろっと平らげてしまい、追加の茅が運ばれて来ました。
ところで、この茅の流通単位である「〆(シメ)」が、地域によって全然違うので苦労しています。
美山の2間〆は、神戸などで使われている5尺〆だと7〆〜9〆になります。ばらつきがあるのは5尺〆と言っても実は色々あるためで、流通単位がこんな有様では、これから私達の生活圏の拡大に相応の範囲で茅を流通させようとすれば、とんだ足枷となりかねない懸念があります。
ここまで屋根を葺くのに結構な量の茅が必要だったことがお解り頂けるかと思います。
やはり茅葺き屋根は一度に葺き替えるものではなく、少しずつ刈り貯めた茅で、傷んだところを治しながら暮らして行くものだと思います。今回の工事範囲がマキシマムかと。
住人の方にそのローテーションの管理に習熟して頂ければ、茅葺きの維持管理をそれほどの負担でもないと考えて頂くことも出来ると思うのですが・・・