070819 続々・レンを流す (茅葺きの小屋組)

棟上げのあと、棟の高さと並んで気にかかっていたのが、この部分です。
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ロフト部分の棟木が、茅葺き屋根の棟木を支える棟持ち柱としっかり組まれてしまっています。
「しまっている」というのは、本来の茅葺き屋根の小屋組は、柱梁からなる建物の箱の上にカゴが被せてあるように乗っかっているだけで、構造体としては建物部分と別々のものなのです。

そのため茅葺き屋根の小屋組は、屋根を葺いているとぐらぐら揺れるなど頼りないものです。大工さんもそれをご存知だからこそ、丈夫になるように気を利かせてくれたようです。
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しかし、揺れるということは総持ちで持っている茅葺き屋根が、地震の揺れや風圧力を上手くいなしている訳ですから、変に固めてしまうと構造材に局所的な無理な力がかかり、致命的な破損につながらないかと心配なのです。

ロフトの天井は建物部分が屋根裏に盛り上がった構造なので、茅葺きの小屋組はその上に乗っかっていなければならないはずです。
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とはいえ、せっかく大工さんが良い木を用意して、鼻栓継ぎで丁寧に組んで下さってもいますので、なかなか縁切りしましょうとは言い出せなかったのですが、悩んだ末に結局ちょん切ってもらいました。

そして変わりに、ロフトの棟木の上に建つ棟束と貫を通して繋いでもらいました。
棟持ち柱とロフトの棟木が切断されて、より高い位置で貫が通されたことがおわかり頂けるでしょうか。
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棟束は茅葺きの小屋組の方に属する部材ですから、これと組むことは問題ありません。むしろ普通に行われている必要なことです。

ちなみに棟持ち柱が立っている桁材(ナカオキと言います)は、天井板の上に転がしてあるだけで固定すらされていません。
棟持ち柱は大工さんの絵図板では、渡りあごを噛んだ梁材とも組んでありましたが、それは早めに気付いて外しておいてもらいました。ロフトの棟木との接合は刻み場を覗かせてもらった時には気付かなかったもので・・・
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と、いうかナカオキは本来渡りあごを噛んだ梁材の上に置かれるものなのですが、今回は新築ということで部材を減らすために、そのあたりの構造は多少整理されています。

モトを上にするレンを全て流し終えて、屋根のかたちが完全に確認できました。
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ロフトの天井と茅葺きの下地との関係も、わかりやすくなってきたのではないでしょうか。

4 thoughts on “070819 続々・レンを流す (茅葺きの小屋組)

  1. 花がたみ 投稿作成者

    どんどんできあがっていきますね。
    木の香り、いずれは茅のよい香りもするのでしょうか。

    >悩んだ末に結局ちょん切ってもらいました。
    良い仕事をして頂いていることが判っているだけに、悶々としますよね。言い出せて良かったですね〜。
    大工さんも近ごろめったにない茅葺き民家の仕事でしょうから、ちょっとやそっとの注文も楽しみながらなさっているように思えます。
    思い通りの仕上りになるといいですね。

  2. shiozawa 投稿作成者

    花がたみ さん、コメントありがとうございます。

    大工さんの仕事はどんどん進んで行くのですが、屋根屋の方が手が廻りませんで・・・自分の家は後回しになってしまいます。

    大工さんも建築士も、図面による監理を行うのではなく、現場合わせで進めることが、茅葺き本来の方法だとは理解して下さってはいますが、実際に出来上がってしまうと、なかなかやり直して下さいとは言い出し難いもので。
    事前に大きなスケールの模型でも組んで確認できれば良かったのですが・・・予算があればですけれども。

  3. よっすぃぃ 投稿作成者

    職場からのぞいています。おひさ。

    小耳にはさんでおりましたが、何かんだといいつつ順調に進んでいるみたいですなぁ。
    出来上がりを楽しみにしとります。
    (特に小窓の部分)

    文章に関係する写真の部分に矢印なんぞあればよいな〜。
    と思うのですがいかが?(笑)

  4. shiozawa 投稿作成者

    よっすぃぃ さん、久し振り、コメントありがとうございます。

    順調と言いたいんだけれど・・・屋根屋が手間取っているうちに雨に降られて、赤松からはカビが生えて来てしまったなあ。
    まあ、後から充分乾かすけれども、せっかく大工さんが鉋かけてくれたのにね。

    写真に矢印はぜひやりたいのだけれども、ブログの更新ではなかなか時間がとれなくてね。リーフレットやHPにまとめる時には頑張ってみます。そんな機会がつくれたら。

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