神戸の里山でもススキの花が咲き出しています。
砂木の家の屋根は、以前から少しずつ刈り貯めていたススキに、淀川や宇治川のヨシを混ぜて葺いて行きます。
ヨシを取りに茅倉庫へやってきました。
茅倉庫の容量に限りがあるので外に積んでいた茅がかなり傷んでいました。厳重にシートで養生し地面からも高く上げて積んでいたのですが、わずかな穴から雨水が入り込んでいたようです。
細かな気配りが必要な上に、やたらとかさ張る頭痛の種です。
かつては秋に刈り冬中干して乾かした茅を春に葺いたり、村の各戸の屋根裏に分散して保管した茅を順番に使ったりしていた訳ですが、つくづく上手い仕組みが出来ていたものだと思います。
倉庫の茅を運び出していると、何やら変なものが出てきました。
卵の殻を細かく砕いて固めたような・・・
どうやらこの皮の主が、食事の後に吐き戻したもののようです。
ヘビは脱皮の際に石の角などを使って、古い皮を引っ掛けながら脱いで行くそうですが、積み上げて揃えた茅の根本が引っ掛けるのに具合が良いようで、実にたくさんの古川が脱ぎ捨てられていました。
さらに茅を運び出して行くと、皮の持ち主自身も現れました。
左の細い皮の主のシマヘビ。
そして、右のごつい皮の主のアオダイショウ。でっかい!
カヤネズミのことを思うと、ヘビ達に茅倉庫の住み心地を喜ばれるのは複雑な気分ですが、大きなヘビが何匹も暮らして行けるくらいに、ネズミやカエルや鳥の巣がたくさんある環境になっていることは、喜んでおこうと思います。
へびの脱皮の皮状態を、初めてみました。自然の中で仕事をされていると、思いがけないたくさんのおみやげに出会うのですね。
ねずみやカエルの巣がたくさんある環境・・すばらしいですね。自然と人間が共存しているのですね。
とまとん さん、コメントありがとうございます。
ヘビの抜け皮は、顔まできれいにはずれていたり、くしゃくしゃによれていたり、細かくちぎれていたり、脱いだときの様子が思い浮かべられるようで楽しいです。
人が関わる事で、小さな生き物たちにとっても居心地の良い空間になって行くと、きれいごとではなく「共生」しているなあ、と感じます。