0624 棟収め

棟を積んで行く手順は美山の屋根と同じです。
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棟に横積みした茅を止める一番最後のオシボコを、覆って養生するのに短い藁や茅のシン(穂先)では無く、長いままのススキを用いるのが少し違います。
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養生する材料が棟の端からこぼれ落ちないように塞き止めるのに、杉皮で巻いたワラ束ではなく、板材を組んだ木製のものを使っているので、それに合わせて形を整えるためです。
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この木製の端止めは、棟の仕上げにトタン板を使った場合とても具合が良さそうでした。

今回は杉皮を使ったのであまりメリットは感じず、むしろワラ束の方が馴染みが良さそうに思います。
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最後に美山と同じような木を組んだ所謂「千木」を棟飾りに据えますが、実はひとつひとつのサイズは美山のウマノリの半分もありません。
美山のウマノリが杉皮を押さえる角材を重さで固定していたのに対して、神戸の棟は杉皮の隙間から針金で縫い止めてしまっていて、ウマノリは文字通り棟の「飾り」以上の機能を持たないので、大きく重い必要が無いからです。

神戸の茅葺き屋根は入母屋で千木の棟で、美山の屋根と見た目はそっくりですが、実際に葺いてみるとやはり細かいところは少しずつ違います
例えば棟は、針金やトタン板のような金属材料をより活用するように配慮されている印象を持ちました。