勝坂遺跡は相模川の広い河原を望む河岸段丘の上に広がっています。段丘の下には「はけ」と呼ばれる泉が湧き出し、陽当たりの良い台地は晴れた日にはいかにも住み心地が良さそうです。
ですが、関東ローム層の上に黒ボクが厚く堆積した段丘上は、呆れる程水を含みやすくて雨が降るとこうなります。
そして、先週からずっと雨模様です。
遺跡に隣接して米陸軍の座間キャンプが広がり、離発着を繰り返すヘリコプターが毎日のように頭上をかすめる騒音の中、スギヤマさんたちは泥にまみれて「ベトナムがー、ベトナムがー(意味不明)」とうなされながらネソ巻きに励んでくれました。
おかげさまで無事屋根下地ができあがりました。
「木で木を縛る」ネソ巻きの不思議。ネジ釘はおろか縄すら使わずに組まれた屋根下地です。本格的な稲作が始まっていない縄文時代には、稲ワラでなった縄は無かったでしょうから。
ネソが乾いて行くに従って、よりきつく緊結されて行くそうです。
木をねじって使うところを見ると、いつもイギリスの茅葺き屋根で使うスパーを思い出します。身近な素材の特性を使いこなす技術も、磨き抜けば同じような発想に行き着くのでしょう。縄文時代の人たちも、きっと。
ところで復元される住居は実はもう1棟あります。そちらの小屋組が仕上がるまでまだしばらくかかりそうなので、それまでネソは水に浸けておきます。
とにかく、使うまで乾かしてしまってはだめなのです。そういう意味では雨模様も結構なのですが・・・泥は何とかしてほしい。
こんにちは。お久しぶりです。
>「木で木を縛る」ネソ巻きの不思議。
現代人が陥りがちな頭だけの理屈ではないですね。
ベトナムがー、ベトナムがー・・・・。
ついPCの前で笑いました。
花がたみ さん、コメントありがとうございます。
蔓とかではなく、木をねじることで繊維をほぐし、それで結ぶという発想がすごいと思います。頭で考える理屈ではなく、日々木と触れることでしか気付けないことです。
スギヤマさんたちは天候の悪い中、無理して頂いてしまいました。助けて下さる仲間がいるのは、本当にありがたいことだと感謝しています。