今回葺き替え予定の分の屋根は無事葺き上がりました。
上から下へと順に足場に吊っていた丸太を外しながら、ハサミをかけて仕上げて行きます。
大きな屋根鋏に初めて触れる人も、職人の指導を受けながらザクザクと。
葺く時に叩いて形を整えながら葺いては来ましたが、やはりきれいに面を揃えるためには仕上げのハサミかけは欠かせません。
叩いて折れたり潰れたりした茅の木口も、良く研いだハサミでシャープに刈り揃えることで、屋根の水はけも良くなります。
新しく葺いた屋根と古い屋根の境目は、本来なら差し茅で調整して合わせるところなのですが、時間が押しているので、ひとまずブルーシートを挟んで対応しておきます。
ていねいに施工した軒まわりですが、最後にもう一度手を入れて整えます。
傷みやすい箇所ですが、意匠的に目立つ場所でもあるので、長くきれいな状態を保ってもらわなければなりませんから。
手直しが済んだら軒裏を刈り落として、軒の端を刈り揃えて足場を外したら、今回の工事箇所は竣工です。
です・・・が・・時間切れ。
「何としても仕上げる」などと大口叩いておりましたが・・・すみません、段取りが悪くて。手弁当で来てくれている職人さんのこだわりや、暑い中頑張ってくれている学生さんや一般参加者の皆さんのやる気を、時に空回りさせてしまいました。
我ながら現場まわすの下手で滅入ります。懲りずに来月にもう一度だけお付き合いください。
今、私にとっていちばんむずかしい現場って、
家庭なんですけど・・・ここもなかなかうまく回せません。
(あぁスケールが小さい。。。)
それでも・・・日々なにか抜け落ちつつも、
とりあえず育ってくれてるので見えざるものに感謝です。
来週たのしみにしてます!
せいこ さん、コメントありがとうございます。
家庭をオーガナイズする主婦のプロフェッショナリズムに比べれば、僕のやっていることなんてささやかなことなんです。
職人がていねいな仕事をしたいと思うのも、学生が自分たちの代でやるべき仕事をやりきりたいと願うのも当然なことなので、その上で誰もが納得できるラインを設定できなければ、僕が現場にいる意味はあまり無いのですが・・・
今まで「やってみせる」仕事をしてきたので、納得してもらうのは自分に取って一番苦手なことかもしれません。
来週はこちらこそよろしくお願いします。お天気がちょっとあやしいですね・・・
昨日、古民家族さんから屋根が良い色に仕上がったという連絡がありました。
本当によかったですね。数ヶ月かけてみんなで仕上げた屋根はきっと格別だと思います。
また、人と人のつながりであるコミュニティーの大切さも実感しました。
後日屋根を見に行きます!!!
mizuta: 君、コメントありがとうございます。
でも、仕上がってないんですよ。
色々と手伝ってもらったのに申し訳ない。
見に来るときは地下足袋履いて来て、軒刈って行ってください。
よろしく!
人に仕事をしてもらうのって難しい。いつも思います。楽しいですけど。
建築でも、ものづくりでも、販売でも、結局は人集まり、皆でつくってるわけで、携わる人たちの御機嫌次第で進展や仕上がりが変わってくる。
手をかける事が贅沢な時代になってるので、なおさらに、技術よりも大事なのが信頼や絆であると常々感じます。
ichide さん、コメントありがとうございます。レスが遅くなりすみません。
参加して下さる皆さんが茅葺きに積極的に関わって下さるからこそ、良い成果を産み出す方向へ向かって行きたいのですが、それを人に伝えるのも拙く、そもそも自分の考えが正しいのかさえ上手く問うことは難しいです。
でも茅を葺いていると、現場の全員が自分の役割を見出し、想いが束ねられることを実感できることがあります。みんなでつくったという実感をみんなで分かち合える機会にしたいものです。