その1:
茅葺きの下地は一番高い棟木から、一番下の草桁まで1本のレン(垂木)が通っています。
古民家族で再生に取り組んでいる旧坂口家では、後補の庇を解体したりしたこともあり、屋根全体を受け止めてバランスを取る大切な草桁が、建物の本屋から切り離されて独立柱だけで支えられていました。
軒がついて屋根が重くなって行くに従い、不自然な揺れ方をするようになって危なくなっていましたが、ある日河原工房の大工さん、ユイさんがふらりとやってきて、梁で繋いで行ってくれました。
下屋の草桁が本屋の柱と梁で繋がり安定しました。
これで安心して葺き進めることができるようになりました。
その2:
「今年最後の茅葺き3連日」と銘打ちながら、僕の段取り悪くて9月に作業が持ち越してしまった旧坂口家の屋根葺き。
正直に言えば、9月あと1回の活動で本当終わるのかすら不安だったのですが、ある日山城萱葺屋根工事の茅葺き職人ヤマダさんがひょっこり訪ねて来て、軒を刈り落として行ってくれました。
愛車KTMアドベンチャーでのツーリング中に、偶然通りかかった山城萱葺き屋根工事の丁稚ワタナベ君も手伝ってくれました。
これで残す作業内容は間違いなくラス1です!
こんばんわ、お疲れまです。
今年は異常に残暑が厳しいですね。
と、ほんとうに学生さんが葺いた屋根なのかと見間違えるほどの仕上がりで、なんとも自分達の屋根が情けなく
なる次第です、、、
このような草の根的な茅葺きの動きがいずれ大きな波になって茅葺き屋根の存在が大きく変わるのでしょう。
九州はまだまだです。
しかし、屋根の下地ひとつにしても全然違いますね。
レンという丸太が一本で通っているのですかぁ。
目からウロコです。
またこのように軒が深い屋根はこちらにはありません。
またゆっくりと屋根の勉強にそちらにうかがいたいものです。
ソワカ
ソワカ さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
実際には写真程はきれいではありません。茅屋根って写真写り良いですからね。
とはいえ、要所は職人がこなしていても、参加者の皆さんも真剣に葺いてくれていますから、見てくれは悪くても保ちは良いはず。
地下足袋履いて屋根上がった学生たちの経験は、やがて彼らが旅立つ社会に少しずつ還元して行ってくれることと思います。
九州でもぜひ盛り上げましょう!車に乗れるようになったので、今度こそ阿蘇にも行きます!その折はよろしくお願いします。
こちらも現場は、ばてばてです。酷暑続くようですからお体大切に。
伝統的な家屋の茅葺を保存・修復していくだけでも大変なことかと思いますが、いつか現代的にアレンジされた茅葺屋根の登場を期待しています。
いろいろと規制があったり、根本的に火を焚かない家では難しいのだろうと想像はしますが…。
やっぱり、茅葺、素敵ですから。
ディプシー さん、コメントありがとうございます。レスが遅くなり申し訳ありません。
茅葺きを郷愁の対象として愛でるだけではなく、現代の社会の中でどう活かして行くかを考えるのは、芸術工学を学んで職人になったものの義務だと思っています。
今の暮らしにあった「かたち」と、今の社会の中に取り込んで行く「仕組み」をデザインしていきたいです。
何といっても、それを日々追求しているのは楽しいですから!